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スイス・ダボスで災害危機管理シンポ 啓発や教育の重要性議論

災害危機管理を巡り議論したシンポ

 スイス・ダボス市の「災害危機管理に関する国際シンポジウム」では、東日本大震災から7年8カ月が経過した被災地の伝承活動が高い関心を集め、世界各地で頻発する災害の啓発活動や防災教育の重要性が議論された。
 シンポには国連教育科学文化機関(ユネスコ)や各国の研究者、報道関係者ら20人が参加。全体討論は東北大災害科学国際研究所長の今村文彦氏、欧州委員会共同研究センターのセキュリティー技術革新担当ゲオルグ・ピーター氏、ユネスコの防災専門官安川総一郎氏ら5人が登壇し、危機管理や人材育成などを巡って議論した。
 パネリストからは「防災の当事者として、若い世代や女性の声にも耳を傾けよう」「震災の記憶やデータを次世代に伝える必要がある」「研究者は狭い専門性にとらわれず、他の組織や団体と連携を深めて実社会に関わりを持つべきだ」などの意見が出た。
 参加機関が取り組みを紹介する報告もあり、8人が登壇した。
 河北新報社は、震災後に取り組んでいる巡回ワークショップ「むすび塾」や震災伝承の担い手育成を目標とする「311『伝える/備える』次世代塾」などのプロジェクトを報告。「住民の命と地域を守るために災害が起きてからではなく発生前から地域や住民に働き掛けるのは、被災地の新聞社としての責務だ」と呼び掛けた。
 会場からは「災害リスクは複合的になっている。河北新報社の働き掛けのようなより柔軟な解決策が必要だ」「特に若い世代の防災教育が必要であり、垣根を越えた協力が大切だ」などの声が上がり、研究機関とメディアなどが連携を強めて災害伝承や啓発活動に取り組む重要性を確認した。
 デンマークのオールボー大工学部のマイケル・ファーバー教授は「研究者がメディアなどと協力し、実社会と関わりを持つことに大いに賛成だ。災害対策は長期的な視点で取り組む必要があり、政治家や市民への防災啓発を着実に進めていかなければならない」と指摘した。


2018年11月25日日曜日


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