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<E番ノート拡大版>岩隈の来季に注目 初代エース復帰なら再び東北の象徴に

宮古市で11日に開催された野球教室で子どもたちに指導する岩隈

 東北楽天初代エースで、今季限りで米大リーグ・マリナーズを退団した岩隈久志投手(37)の来季所属先に注目が集まっている。既にオファーしている古巣に8季ぶりに戻ってほしいと願うファンが大多数だろう。だが岩隈は日米の球団に可能性を残し、なかなか結論を出せない状況にある。

<現役続行の意思>
 昨秋に右肩を手術し、今季は渡米7季目で初めて大リーグでの登板がなかった。復帰を目指す中での退団でやり残した気持ちがある。マリナーズから指導者転身を打診されても現役続行の意思を貫いた通り「まだ(大リーグで)できる」と自負もある。通算63勝し、15年には野茂(ドジャースなど)に続く日本人2人目の無安打無得点試合を達成した実績も誇る。
 しばらくはメジャー復帰の誘いを待つ構えだが、右腕はこの2年間未勝利だ。けが明けで来季プロ20年目になるベテランが、日本以上に実力主義の米国で、これまで同様に計算できる先発投手として評価されているとは考えにくい。本人も「米国は厳しい世界」と承知の上だからこそ、9日には米国球団関係者を練習に招き、右肩の回復具合をアピールした。
 ただ「マイナー契約なら考える」と明かすように、メジャーにはい上がる形を受け入れてまで米国に執着はしない。だから現実として、「(オファーは)ありがたい話」と感謝した東北楽天を含め複数の国内球団との交渉にも応じる。
 日本球界なら東北楽天が最有力とみられてきただけに、球団は思いのほか進展しない交渉に「決して楽観視できない」と危機感を抱く。ただ今後の交渉の熱意次第で展開は変わりそうでもある。
 「自分は心で動く。条件面より気持ち。一番必要としてくれる球団に恩返ししたい。残りの野球人生を懸け挑戦したい」。決断を後押ししてほしいと願っているかのような言葉を岩隈は発している。

<創設期の功労者>
 振り返れば2004年冬の東北楽天入団の際も岩隈は信念を貫いた。所属する近鉄と合併したオリックスでのプレーを拒み、選手会の史上初のストライキを経て誕生に至った新球団を選んだ。同年12月22日夜、仙台市で行われた緊急入団会見を取材したが、「東北全体をファンと一緒に盛り上げたい」と義憤に駆られた表情で語っていたのを思い出す。
 05年「寄せ集め軍団」とやゆされて97敗した。あの年岩隈がいなかったらもっと低迷していたのは間違いない。創設期最大の功労者と今でもファンの誰もが認めるところだ。
 近年では黒田博樹投手が15年に大リーグから年俸の大幅減を覚悟の上で広島に復帰するおとこ気を見せ、16年以降のリーグ3連覇の礎を築いた例もある。岩隈も同じようにチームの象徴になり得る。東北に帰ってきてほしい。(金野正之)


2018年11月27日火曜日


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