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<高校野球未来図>(1)裾野広げる/部員減少 現場は危惧

宮城県高野連の講習会でストレッチを教わる中学球児たち=3日、宮城県名取市の仙台高専名取

 高校野球は夏の甲子園100回大会を終え、次の100回に向けて活性化を図る取り組みが始まった。子どもの野球離れが進む中、日本高野連は「200年構想」を打ち出し、普及に本腰を入れる。女子野球の振興を後押ししたり、大会運営を改善したりする動きもある。東北の取り組みを紹介する。(野仲敏勝)

<中学球児が興味>
 宮城県高野連が3日、名取市で開いた南部地区の中学野球部員を対象にした講習会。初めて理学療法士らを招き、肩甲骨の可動域を広げるストレッチなどを教えた。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(岩手・花巻東高出)らが重視し、高校球児にも広まるトレーニング。けが予防や球速向上に効果があり、中学球児は興味津々のようだった。
 仙台市山田中2年の宇佐見優介君(14)は「これだけ丁寧に教えてもらったのは初めて。練習に取り入れ、自分も高校野球で活躍したい」とうれしそう。宮城県高野連普及振興委員会の利根川直弥委員長(46)=石巻工監督=は「来年度は幼稚園児や小学生、少年野球の指導者にも活動の対象を広げたい」と語った。
 少子化やスポーツの多様化が進み、高校野球部員(硬式)は減少している。10年前と比べ、全国で10%減の約15万3000人、東北6県で19%減の約1万3000人。連合チームを組まないと試合ができない学校は増えており、「このままでは高校野球が、部員が集まる一部の強豪校だけのものになる」と現場は危惧する。
 日本高野連は5月に底辺拡大を目指した「高校野球200年構想」を発表。(1)普及(2)振興(3)けが予防−など五つの目標を掲げ、これらに沿った都道府県高野連の事業費に対して助成する。今夏の甲子園大会から外野席を有料化するなどして、年間1億〜1億5000万円の財源をつくった。

<関連団体が連携>
 東北で先行するのが山形県高野連だ。少年野球人口の減少を受け、2016年に「山形県野球活性化推進会議」を設立。スポーツ少年団、中体連、リトル、シニア、ボーイズから社会人、還暦野球までの計14団体と医療関係者らが入り、普及活動に取り組む。
 山形県高野連の菅谷明浩事務局長(56)は「県内の野球人口の将来予測を示し、『このままではチームがなくなる』と危機感を共有できた」と語る。(1)新たに野球を始める人を増やす(2)スポ少から中学、中学から高校野球への継続率を高める−などを目標に、肘肩検診や各団体の大会運営の協力などを展開する。
 全国ではプロ野球日本ハムも加わったNPO法人「北海道野球協議会」や、指導者、選手、保護者向け教本「新潟メソッド」を作成して指導する「新潟県青少年野球団体協議会」の活動が注目されている。都道府県ごとに球界がまとまり、底辺拡大に取り組む流れができている。


2018年11月27日火曜日


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