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<津波災害警戒区域>山形県が遊佐など3市町指定へ 東北で初、避難体制を強化

山形県が津波災害警戒区域に指定する見通しの遊佐町吹浦地区

 東日本大震災を教訓に、国内各地で発生が懸念される最大級の津波への対策を進めようと2011年に制定された「津波防災地域づくり法」に基づき、山形県が本年度末にも、避難体制を強化する「津波災害警戒区域」を指定する見通しであることが26日、分かった。実現すれば東北6県で初めて。
 都道府県は津波浸水想定の設定を踏まえ、津波発生時に特に住民らが逃げられる体制を整備すべきエリアを、津波災害警戒区域として指定できる。
 浸水想定が浸水深を幅で表すのに対し、津波災害警戒区域は建物などに津波がぶつかって上昇する分を加味した「基準水位」を示すため、避難すべき津波高が明確になる。市町村は民間の建物を避難施設に指定して管理したり、学校や福祉施設は避難計画の作成や公表が義務づけられたりする。
 山形県は遊佐町、鶴岡市、酒田市の3市町の浸水想定区域を警戒区域に指定する方針で、各市町に案を示して調整を進めている。
 10月には県内初の住民説明会を遊佐町吹浦地区で実施。出席者に示した指定案によると、浸水想定で浸水深0.3メートル以上1メートル未満だった町営保育園は、基準水位が0.7メートルや0.8メートルと算出され、町内の対象施設で唯一、新たに避難計画を作成する義務が生じた。
 遊佐町の担当者は「津波が到達する高さが具体的に示されているため、避難場所や避難経路を効率的に配置し直す上で非常に参考になる」と話す。
 山形県は遊佐町の同意が得られれば、本年度中にも指定手続きに入る考え。鶴岡、酒田両市では来年度末までの指定を目指す。
 全国では11月時点で静岡など10道府県が指定を済ませた。東北では青森県が来年度までに日本海に面した5市町で警戒区域を指定する方針。秋田県は本年度、指定に向けて市町村向けの説明会の開催を始めた。
 震災で被災した岩手、宮城、福島3県は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルの検討が国で続いているなどの理由で、警戒区域の前提となる津波浸水想定が未設定となっている。

[津波防災地域づくり法]最大クラスの津波を想定し、堤防などのハード事業と避難といったソフト対策を組み合わせ、多重防御する目的で制定された。都道府県は津波浸水想定の設定を義務づけられ、避難体制を整備すべきエリアを「警戒区域」、開発行為や建築を制限すべきエリアを「特別警戒区域」に指定できる。


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2018年11月27日火曜日


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