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<高校野球未来図>(2)女子に活路/底辺拡大 手厚い支援

中学男子の硬式チームと練習試合をするクラーク記念国際高仙台キャンパスの女子選手=9月、仙台市

 高校野球は夏の甲子園100回大会を終え、次の100回に向けて活性化を図る取り組みが始まった。子どもの野球離れが進む中、日本高野連は「200年構想」を打ち出し、普及に本腰を入れる。女子野球の振興を後押ししたり、大会運営を改善したりする動きもある。東北の取り組みを紹介する。(野仲敏勝)

<練習試合で善戦>
 今春発足した東北初の高校女子硬式野球部、広域通信制のクラーク記念国際高仙台キャンパス(仙台市)が、「なかなか強いらしい」と宮城県内の野球関係者の間で評判だ。小・中学でプレーしてきた女子11人が東北6県と群馬県、大阪府から集まり、今夏の全国高校女子選手権(兵庫県丹波市)で8強入りした。
 この秋、宮城県内の中学男子の硬式チームと練習試合を11試合こなし、7勝4敗と善戦している。活躍の陰には県内球界のさまざまな支援がある。
 「女子野球の発展が球界全体の底辺拡大につながる」。こう話すのは、中学硬式の強豪チーム「東北福祉仙台北リトルシニア」の村山右三監督(58)だ。練習試合の相手を務めたり、室内練習場を貸したり、支援を惜しまない。
 少年野球の世界で女子の存在感は増している。宮城県内の軟式野球のスポーツ少年団員(2017年度)が、10年間で約7400人から約5100人へと31%減る中、女子の比率は3.6%(289人)から4.8%(341人)に高まった。
 「女子抜きで少年野球のチームの維持は難しくなっている。さらに女子を増やすため、中学、高校に上がってもプレーできる受け皿づくりと、目標が必要」。県内に二つある中学女子軟式野球チームの一つ「宮城デイジーズ」の浅野和弘監督(44)は言う。
 プロ野球東北楽天も、クラーク記念国際高と提携を結び、元プロ選手の指導者を派遣するなどして応援する。女子の野球経験者を増やすことが、将来のファン拡大につながるとの期待もある。

<いつかは甲子園>
 練習試合を通して男子が学ぶことも多いという。東北福祉仙台北リトルシニアの村山監督は「男子のように力任せにならず、関節を柔らかく使える分、送球は球に回転がかかり、真っすぐにいく。交流すれば男子のレベル向上にもプラスになる」と言う。
 全国で高校の女子硬式野球部は増えており、全国高校女子選手権は、10年前の6チーム(5校と連合1チーム)から今夏は28チーム(27校と連合1チーム)が出場するまでになった。
 クラーク記念国際高仙台キャンパスで主将を務める1年の庄司美空さん(15)は「自分たちが活躍して東北に女子野球を広め、野球を続けられる女子を増やしたい。目標は日本代表。いつかは甲子園で女子もプレーできるようになればいい」と将来像を描く。
 現在のチームの目標は、来春の全国高校女子選抜大会(埼玉県加須市)の4強以上と、初の年代別日本代表選手を生み出すことだ。同校の松木幸弘キャンパス長(49)は「生徒たちが夢を実現できるよう頑張りたい。競い合いができるよう、東北にあと2、3校は女子野球部ができるとうれしいが…」と語る。


2018年11月28日水曜日


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