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<秋サケ漁>不振にあえぐ岩手、今年も苦戦 南部は深刻、不漁の昨年をさらに下回る

定置網で漁獲された秋サケ。昨年以上の不漁で魚体も小さい=大船渡市魚市場

 本州一の漁獲量を誇る岩手県沿岸の秋サケ漁が、昨年に引き続き今年も不振にあえいでいる。特に沿岸南部の漁獲量が、不漁に終わった昨年をさらに下回り深刻な状況だ。ただ単価は高値だった昨年より値を下げ落ち着いており、ふ化・放流事業用の採卵も計画通り推移している。

 県漁獲速報によると、沿岸の漁獲量は20日現在で3206トン。不漁だった昨年の同期に比べ5.4%増えたが、過去5年間の平均漁獲量の6割程度にとどまっている。
 地域別の漁獲量は、前年同期比で県北の田野畑176.1%、田老153.5%に対し、県南の大船渡70.6%、釜石81.4%。沿岸南部の不振が顕著だ。
 沿岸南部では今年、まひ性貝毒の発生が長期化しホタテの出荷規制で大きな打撃を受けた。綾里漁協(大船渡市)の佐々木靖男組合長は「クロマグロの漁獲規制もあってトリプルパンチだ」と嘆く。
 県水産技術センター(釜石市)は、海水温の上昇でサケが沿岸に接近しにくいのではないかと分析。太田克彦漁業資源部長は「北部には比較的海水温の低い海域があり、地域差が出ている」と語る。
 1キロ当たりの単価は693円で、過去5年間の平均よりはやや高いものの、品薄で高騰した昨年の1039円からは大きく値を下げている。
 宮古市の水産加工業丸友しまかの島香尚社長は「昨年より仕入れがしやすくなったし、商品を安く提供できるのは助かる」と話した上で「今年は小ぶりで見た目が良くない」とこぼす。
 一方、河川での捕獲量は前年同期比64.1%増で採卵数は計画を上回る。田老町漁協(宮古市)の担当者は「昨年は採卵が計画数に達しなかった。将来のために何とか確保しなければならない」と表情を引き締めた。


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2018年11月28日水曜日


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