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<強制不妊・国賠訴訟>除斥適用「争点の一つ」 裁判長、憲法判断示唆

 旧優生保護法(1948〜96年)下で繰り返された強制不妊・避妊手術を巡り、宮城県の60代と70代の女性2人が国に計約5000万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が28日、仙台地裁であった。中島基至裁判長は、不法行為から20年経過すると賠償請求権が消滅する民法の除斥期間の優生手術への適用を「争点の一つ」と指摘。旧法の合憲・違憲性に加え、除斥期間適用の是非についても憲法判断する意向を示唆した。
 中島裁判長は、書留郵便の配達遅れなどの賠償を免責する郵便法の規定を違憲無効とした判例に言及。人権侵害の手術事実が認められる場合、除斥期間の規定の適用の是非を「総合して判断することになる」と述べた。判断に当たり、来年2月8日に原告の70代女性本人と60代女性の義姉の尋問の実施を決めた。
 国は今回提出した書面で、賠償請求権の起算点を「手術の施術時」と指摘。仮に当時の厚生相に旧法改正の法案提出を怠るなどの違法行為があったとしても、女性2人は施術から20年以上経過しているため「賠償請求権は既に消滅している」と強調した。
 女性側はこれまで自己決定権などの侵害を前提に救済措置を怠り続けた政府と国会の立法不作為を主張。起算点は2004年に当時の厚生労働相が国会答弁で旧法の問題に言及した時点から立法に必要な3年相当を経た07年で、請求権は消滅していないとしている。今後、除斥規定の適否に関する主張も追加する。
 女性の弁護団は28日、手術に関する記録が新たに見つかった宮城県の70代と80代の男性2人が、12月17日に仙台地裁に提訴すると発表した。東北の原告は計5人となる。
 与野党で策定を進めている被害救済に向けた議員立法に当事者の意見を反映するよう求める「優生手術被害者・家族の会」が12月4日に発足することも明らかにした。


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2018年11月29日木曜日


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