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気仙沼に残る銭湯「友の湯」から街に活気を 市内移住の若者ら奮闘、施設丸ごと使いイベント

男湯で演奏会を楽しむ入浴客

 東日本大震災後、宮城県気仙沼市に移住した若者たちが市内に唯一残る老舗の銭湯「友の湯」を拠点に、街を活気づけようと奮闘している。近所の飲食店と協力し、風呂がある2階建ての施設を丸ごと使ったイベントを開催し、住民に歓迎されている。若者たちは「皆が楽しめる空間をつくりたい」とアイデアを練っている。
 「いい風呂の日」の今月26日、銭湯1階の男女浴場でそれぞれ、ミニコンサートがあった。2階の個室では、マッサージや雑貨の販売ブースを設置。近くのスナックで買ったつまみや飲み物を持ち込み、くつろげるスペースをつくった。
 約60人が訪れ、演奏や他の客との交流を楽しんだ。市内で喫茶店を営む後藤秀治さん(39)は「外から来た若い人と昔からいる人が一緒に楽しめる面白いイベント」と喜んだ。
 震災を機に、東京都や仙台市から気仙沼に移住、Uターンして転職した20代半ばから30代前半の4人が企画。交流のある移住者らも協力した。
 発起人の一人で、2015年春に東京から移住した気仙沼市唐桑町の一般社団法人まるオフィスの職員根岸えまさん(26)は「銭湯を中心にしたアットホームな雰囲気がつくれた」と手応えを語った。
 今年創業60年を迎えた友の湯は、震災直後の3月24日に再開。被災者や支援者のくつろぎの場として親しまれた。今も、当時のボランティアが訪れる。
 主人の小野寺学さん(61)が今年8月、宿泊用に使っていた2階の空き部屋の活用法を、親交のある4人に相談したことがきっかけとなり、イベント開催が実現した。
 小野寺さんは「若い人らしいセンスのある催しだ。どんどん銭湯を活用してほしい。若者と一緒に新たな銭湯の楽しみ方を発信したい」と意気込む。
 4人は今後も、銭湯や空き部屋の活用法について検討を重ねる。昨年、東京からUターン転職した市地域おこし協力隊員の昆野哲さん(28)は「住む人、銭湯に通う人が交流し、みんなが楽しめる空間をつくりたい」と話す。


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2018年11月30日金曜日


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