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<南相馬・鷺内遺跡>縄文期のクルミが入ったかご、ほぼ完全な状態で出土 全国初、貴重な資料に

クルミが詰まった状態で出土した縄文時代晩期に編まれたかご。下が開口部

 福島県南相馬市教委は29日、鹿島区の鷺内(さぎうち)遺跡で、縄文時代晩期の低地性土坑(縦穴)から編んで作ったかご(編組(へんそ)製品)に食用のクルミが多く詰まった状態で見つかったと発表した。こうしたほぼ完全な状態の出土は全国でも例がないという。縄文人の編組の技術や食文化を探る貴重な資料になりそうだ。
 鹿島区寺内の福島県立特別支援学校建設地で昨年10月〜今年6月、約6500平方メートルを調査。31基の土坑が発見され、3基からかごやざる類12点が出土した。編組製品の出土点数としては県内最多という。
 このうち竹やササ類で編まれたかごは縦33センチ、横幅20センチ、厚み11センチで、底部が方形。3.5センチ大の割る前のオニグルミがぎっしり詰まっていた。数百個が入っているとみられる。直径約1.5メートル、深さ1.1メートルの土坑の中ほどで見つかった。
 縄文期には地下水が湧く土坑に木の実などをかごに入れて沈めていたという。市教委文化財課は「常に新鮮な地下水で満たされていたことで3000年の間、酸化して腐るのを免れた。忘れた物だったか特別な事情があったかの可能性がある」と説明した。
 実際にかごを見た縄文時代の食物資源に詳しい首都大学東京の山田昌久教授(考古学)は取材に「水に漬けるのはあくを抜いて殻を割りやすくするだけではなく、クルミに付いた虫の卵を殺すのが目的だったのではないか」と分析。「縄文時代のかごの素材の使い方や作る技術、食文化を議論する上でこれまでにない良好な資料が見つかった」と話した。
 市教委は12月16日、市原町区の文化財整理室で12点を一般公開する。連絡先は文化財課0244(24)5284。


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2018年11月30日金曜日


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