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<東北大>医療用センサー開発へベンチャー設立 高度な診断を容易に、5年後上場目指す

事業内容などを説明する熊谷社長(右)

 東北大は30日、脳や心臓などの高度な医療診断が容易となる新型磁気センサーを開発、提供するベンチャー企業「スピンセンシングファクトリー」(SSF、仙台市)を設立したと発表した。主な取引先は医療機器メーカーで、5年後の売上高100億円、株式上場を目指す。

 SSFは9月10日に設立。資本金は8050万円で、社員は5人。製造、販売する磁気センサーは数ミリ単位まで小型、軽量化されており、将来的に年間10万個の生産を計画している。
 磁気センサーには、東北大の宮崎照宣名誉教授(応用物性・結晶工学)が世界で初めて製作した常温で作動するトンネル磁気抵抗(TMR)素子を用いた。
 脳外科手術で脳内を診断するのに不可欠な測定機器は現在、超電導量子干渉(SQUID)素子という磁気センサーが用いられている。素子を作動させるにはマイナス269度の低温状態が必要。コスト面が課題となっており、機器1台は5億円に上る。
 TMR素子の磁気センサーを使った脳の測定機器は常温で作動するため、SQUID素子の機器と比べ10分の1のコストで生産ができるという。
 SSFの熊谷静似社長は「将来は医療分野だけでなく、機械の動作状態を監視する機械産業分野、道路や橋などインフラの状態を測定する環境産業分野まで幅広く応用できる。東北大発のベンチャーとして規模を拡大したい」と話した。


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2018年12月01日土曜日


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