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<春祈祷>地域結ぶ音色 次代への継承誓う 石巻・針岡原地区の正月行事

太鼓と笛の練習に励む住民ら

 宮城県石巻市針岡の原地区の住民らが、1月3日に行う「春祈祷(はるきとう)」の練習に励んでいる。おはやしに合わせて獅子舞が家々を回る新年行事は、過疎化の進行で継続が危ぶまれる。住民らは「地域の結び付きを深める春祈祷の伝統をなくしたくない」と次代への継承を誓う。
 11月25日夜、原地区の原生活センターに20〜40代の男性10人が集った。約2時間、太鼓と笛の練習を続けた。
 「太鼓の真ん中をたたかないとだめだ」「手首でたたけ」「もう少し振りかぶったらいいんでねえか」
 太鼓を始めて3年目の会社員佐藤敏弘さん(33)に厳しい声が飛んだ。「音がまだしっかり出ていない。先輩たちが練習に付き合ってくれるから頑張れる」と気合を込める。
 春祈祷では、子どもたちが獅子舞やおはやしの後をついて回り、家々で菓子をもらう。佐藤さんもそんな子どもの一人だった。「地域で当たり前にやってきた行事。続けていかなければいけない」と話す。
 原地区は、北上川につながる富士沼の南側の農村地帯。東日本大震災で地区内に大きな被害はなかったが、学区内の大川小にいた複数の児童らが津波の犠牲になった。
 原自治会の狩野松徳会長(59)によると、かつては400人程度が暮らしていたが、15年ほど前から人口減少が加速、現在は約60世帯、約180人になった。みこしを担いで地区内外を回る秋祭りも十数年前に途絶えた。
 狩野さんは25日夜の練習を見守った。「春祈祷は地区内を一軒ずつ回るため、元気に暮らしているかどうか確認できる。大事な行事であり、残していきたい」と話した。


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2018年12月01日土曜日


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