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<松明あかし>祈りの炎、冬の季語に 「俳句歳時記」最新版に須賀川の伝統行事収録 長年の働き掛け実る

季語になった伝統行事「松明あかし」=11月10日、須賀川市

 福島県須賀川市の伝統行事「松明(たいまつ)あかし」が冬の季語となった。KADOKAWAが11月に発行した「俳句歳時記」の最新版に収められた。長年の働き掛けが実った地元の愛好家団体は「全国の人が祭りを知り、地元に足を運ぶきっかけになってほしい」と期待する。

 松明あかしは毎年11月の第2土曜日に開催。1589年、伊達政宗に滅ぼされた須賀川城主の二階堂氏と家臣の霊を慰めるため、領民らが始めたとされる。
 学校や企業、町内会など約30団体が参加。最大で長さ10メートル、重さ3トンほどのたいまつに一斉に点火する。日本三大火祭りの一つで、毎年10万人以上が訪れる。
 季語への採用活動は、地元の俳句愛好家団体「桔槹吟社(きっこうぎんしゃ)」が10年以上前から継続。有名な俳人を祭りに招待し、俳句を詠んでもらうなどしてきた。
 2008年に招いた俳人の故金子兜太(とうた)さんは<火の柱の火の壁の松明あかし>と詠んだ。14年には句碑が祭り会場の翠ケ丘公園に建立された。今回の歳時記でも例句として掲載された。
 団体代表の森川光郎さん(92)は「念願がかないうれしい。来年の祭りに全国から多くの俳人が集まり、新鮮な視点で詠んでくれるのではないか」と語る。
 KADOKAWAの担当者は取材に「歴史があり、現地で人気がある行事。地元で俳句に詠まれることが多かったため新たに季語に選んだ」と説明した。
 須賀川市は、松尾芭蕉が1689年に長期滞在したことから「俳句のまち」を掲げる。同市の伝統行事では国の名勝・須賀川牡丹(ぼたん)園で行われる「牡丹焚火(たきび)」も冬の季語。福島県内では「相馬野馬追」(相馬地方)が夏の季語となっている。


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2018年12月01日土曜日


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