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<水曜日郵便局>5日閉局、心のやりとり最後まで 見知らぬ人と手紙交換「不思議なつながり実感」

閉局が近づき、届いた手紙を読み返す木島さん

 東松島市宮戸の旧鮫ケ浦漁港にある架空の郵便局「鮫ケ浦水曜日郵便局」が5日、閉局する。昨年12月に始まった1年限定のプロジェクトで、手紙を投函(とうかん)すると別の誰かの手紙が届けられる。今度の水曜日が最後の投函日。見知らぬ誰かへ−。あなたなら何を書きますか。

 「どんな人に届くか想像して書くのが楽しい」。これまで12通の手紙を書いた東松島市小野の観光ガイド三浦利子さん(64)が魅力を語る。
 絵手紙を始めて13年。柿やユズなど季節の果物や野菜を描き、日常のふとした出来事をしたためた。
 東日本大震災で、義父や絵手紙教室の友人を亡くした。震災後は絵手紙サークルを通じて交流を深めた県外の支援団体などに励まされた。「手紙は支援への感謝の気持ちも込めて書いている。最後の日までもう何通か出したい」と筆を執る。
 鮫ケ浦漁港でポストの見守りなどをする「灯台守」の木島新一さん(68)=東松島市宮戸=は、思い出に残る1通の手紙がある。
 今年5月、自宅の近くをうろうろする若い女性がいた。声を掛けると、一人旅の途中で、かつて集落にあった書のギャラリーを目当てに訪れたという。
 木島さんは震災の話をしたり、水曜日郵便局を説明したりして見送った。すると後日、その女性が水曜日郵便局に送った手紙が偶然、木島さんに届いた。会った日の出来事がつづられ、「素敵な出逢いをありがとうございました」と感謝の言葉があった。
 「不思議なつながりがあって面白い」と木島さん。昨年12月から30通以上の手紙を書き、宮戸の見どころや季節の花にまつわる話を伝えてきた。最終日に投函する手紙も書き終えた。
 木島さんは「筆無精だったが、書きたい事を書いていたら続けられた。多くの人にプロジェクトの楽しみを感じてほしい」と話す。
 宛先は〒981−0394東松島市宮戸字観音山5番地その先 鮫ケ浦水曜日郵便局。手紙は事務局が無作為で別の送り主に転送する。11月28日までに受け取った手紙は4900通を超えた。連絡先は事務局03(5579)2724。


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2018年12月02日日曜日


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