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<亘理・山元ウイーク>てくてく歴史散歩/水上交通の安全祈願 田沢磨崖仏(亘理町逢隈田沢)

岩地蔵の名で親しまれる田沢磨崖仏

 逢隈田沢地区の阿武隈川の岸辺にあり「岩地蔵」と呼ばれます。四つある岩窟に3体のお地蔵様が刻まれ、うち一つには、梵(ぼん)字が書かれた中世の供養塔である「板碑」があります。周辺で古代の横穴墓が見つかっており、古来、信仰の場だったと考えられます。
 磨崖仏は町内唯一で、県内でも数多くはありません。希少性もさることながら、位置が大きなポイント。平安時代の歌枕にもなった「稲葉の渡し」と推定される場所にあるのです。
 「左甚五郎が渡し船を待っているときに彫った」との伝承や、飛騨の匠(たくみ)の作品という説もあります。いずれ、水上交通の安全を祈願したものでしょう。
 磨崖仏の脇から引かれる農業用水は、今も亘理郡内の水田地帯の水資源であり続けています。亘理の歴史にとって重要な場所を物語る、生き地蔵様と言ってよいでしょう。(亘理町郷土資料館・菅野達雄さん)


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2018年12月02日日曜日


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