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<むすび塾>地域一丸で訓練必要 南海トラフへの備え議論

景勝地での観光客の避難誘導などについて語り合う参加者=1日午前、三重県伊勢市二見町茶屋地区

 三重県伊勢市の二(ふた)見浦(みがうら)で1日開催した防災ワークショップ「むすび塾」では、南海トラフ巨大地震に備えるため、観光名所の津波避難がテーマになった。住民らは東日本大震災の被災者らとともに、地域が連携した広域的な避難訓練実施の必要性などを確認した。
(1面に関連記事)
 二見浦で旅館を経営し、二見町旅館組合長を務める増田幸信さん(59)は「避難訓練は定期的に取り組んでいるが、津波は想定していない。避難誘導のタイミングや夜間の対応に悩む部分もある」と打ち明けた。
 語り合い会場となった国の重要文化財「賓日館(ひんじつかん)」の事務局長山本直子さん(40)は「地域連携がまだ弱い部分がある。避難時のリーダーも必要だ」と話した。
 むすび塾開催前に旅館関係者らを対象に実施したアンケート(有効回答数21)もテーマに取り上げた。
 観光客を安全な場所まで避難させる自信があるかどうかを尋ねた質問では「自信がない」との回答が76%を占め、参加者からは「避難場所までの誘導で照明や看板、道路状況に不安がある」「観光客が多い季節には避難路に人が殺到しそうで対策が必要だ」との意見が出た。
 二見まちづくりの会会長の北岡常正さん(71)は「防災に関し地域一体で連携を密にする」と強調。三重大防災・減災センター助教で伊勢市在住の水木千春さん(47)も「まず地元を知る住民が訓練しておくことが大事だ」と力を込めた。
 宮城県女川町で被災したホテル業佐々木里子さん(50)は「これからも二見浦の景観や文化と共存できるよう、危機意識を高め命を守ることを最優先に行動してほしい」と訴えた。
 助言者として参加した三重大工学部の川口淳准教授(53)は「海に面した観光地をマイナスと捉えず、津波リスクにきちんと対策を取った安全な地域であることをアピールすることが必要だ。まとまって訓練するなど踏み込んだ取り組みを始めてほしい」と呼び掛けた。


2018年12月02日日曜日


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