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<東日本大震災>被災3県、発生4年間で労災21人 原因は震災業務

 東日本大震災以降の4年間に、岩手、宮城、福島の3県で過重労働などから脳・心臓疾患となり、労災認定された人を独立行政法人労働者健康安全機構が調べた結果、21人が震災の関連業務が原因とみられることが1日、分かった。うち9人は死亡していた。
 機構によると、東日本大震災での過重労働による労災の分析は初めてとみられる。大規模災害時の緊急対応や復旧活動に当たる労働者に、深刻な健康被害が生じている実態が確認された。
 国内では南海トラフ巨大地震も懸念されており、同機構過労死等防止調査研究センターの吉川徹センター長代理は「災害時だからこそ休息や睡眠を確実に確保する必要がある。緊急時の事業継続計画(BCP)に従業員の健康管理も盛り込むべきだ」と指摘する。
 センターは労働基準監督署から資料を収集し、分析。21人は岩手1人、宮城15人、福島5人。全員男性で、年齢別では50代が11人と最も多かった。業種別では建設4人、不動産、運輸、医療福祉がそれぞれ3人。7人が管理職だった。
 発症時期では、震災当日から1週間以内が6人、1カ月超〜半年以内が7人を占めた。地震直後に発症した人の認定理由を見ると「異常な出来事に遭遇」がほとんど。時間の経過とともに「長時間の過重業務」が増加した。
 調査では21人のうち、主な事例として7人について発症に至る経緯を示した。ビルメンテナンス業の60代男性は震災当日、病院施設で給水管の破損に対応した後、心筋梗塞を発症し、死亡。ガソリンスタンド勤務の40代男性は2011年4月、22日間の連続勤務の後、くも膜下出血で倒れた。
 調査には3県以外や、うつ病などの精神障害、公務員の公務災害は含まれていない。吉川センター長代理は「震災関連の過重業務による労災は、今回の報告数よりも多いだろう」としている。


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2018年12月02日日曜日


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