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<大川小訴訟シンポ>「命守る学校防災を」仙台で遺族ら初の討論会

子どもたちの遺品を前に、「高裁判決を学校防災の礎にしてほしい」と訴える遺族ら

 宮城県石巻市大川小津波訴訟の原告団は2日、シンポジウム「子供の命が守られる学校を作るために」を仙台市青葉区の仙台弁護士会館で開いた。原告遺族が主催する初の討論会で、事前防災の不備を認めた今年4月の仙台高裁判決を正しく理解し、全国の子どもたちの命を守る学校防災の礎にしてほしいと開催した。
 教育関係者ら約100人が参加。講演した原告代理人の斎藤雅弘弁護士は、高裁判決が児童の安全確保を「公教育制度を円滑に運営するための根源的義務」と位置付け、平時の学校の備えに組織的な過失を認めた点を強調した。
 東日本大震災で、地震発生直後の現場教員の対応に焦点を当てた一審仙台地裁判決については「学校防災の見直しを示唆するものではなかった」と指摘した。
 日大危機管理学部の鈴木秀洋准教授(行政法)は組織的過失の認定を「行政実務にのっとった判断」と評価し、「各部署が尽くすべき役割が問われる。事前の組織間調整にコストをかけることが重要」と述べた。
 千葉県南房総市の小学校長として震災を経験した鈴木智・市教委元参事(宮城教育大出身)は、同市の学校防災の取り組みを紹介。「市教委や校長ら実践する者の心構え次第で、命を守る学校防災の在り方はすぐに変えられる」と訴えた。
 原告遺族らを交えたパネル討論では「学校同士が競い合う形で防災の取り組みを発展させるべきだ」「学校評議会制度など、学校をチェックする仕組みを形骸化させてはならない」といった意見が出た。


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2018年12月03日月曜日


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