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<亘理・山元ウイーク>被災ハーレー、津波伝える 産直施設で展示へ

震災直後から保管しているハーレーを見詰める成毛さん

 宮城県山元町が来年2月9日に開設する同町坂元の産直施設「やまもと夢いちごの郷(さと)」で、同町の住民による一般社団法人「まちづくりやまもと」が地元で被災した米・ハーレーダビッドソン社製のオートバイ2台を展示する計画を進めている。展示は来春の予定で、東日本大震災の津波の威力を物語る遺物を産直施設利用者に見てもらい、震災の風化を防ぐ狙いがある。

 震災時に町内で被災車両の撤去を行った県自動車整備振興会山元分会と協力し、国道6号沿いの施設敷地内に一部がガラス張りの展示用プレハブを設置する。産直施設側も趣旨に賛同している。
 オートバイはまちづくりやまもとの代表理事で自動車販売整備業成毛(なるけ)政孝さん(65)が保管している。成毛さんは震災後、自動車整備振興会の会員として作業に参加した。ひしゃげた車を重機で回収するつらい作業の中、見つけたのが顧客の農家佐伯和浩さん(57)のハーレーだった。
 右ハンドルが取れ、ブレーキパイプで辛うじてつながるなど損傷が激しかった。再生は不可能に思えたが、スクラップにするのは忍びなかった。佐伯さんの許可を得て震災後7年以上過ぎた今も保管している。
 もう1台は同業者が亘理町で撤去したハーレーで、最近では珍しいサイドカー付きだ。
 成毛さんは、2012年に山元町の男性のハーレーがカナダに流れ着き、米国のハーレーダビッドソン博物館に展示されることになったニュースを知り展示を思い立ったという。
 佐伯さんの家族は無事だったが自宅は津波で流失し、町内陸部に移転した。
 「つらい記憶を思い出してしまう半面、初めて手に入れて20年以上乗ったハーレーで愛着もある。展示したいという成毛さんの思いを受け止めたい」と佐伯さん。成毛さんは「自分もバイクに乗るので捨てたくなかった。津波を後世に伝える展示にしたい」と話す。


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2018年12月04日火曜日


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