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<外国人労働者は今>秋田の現場から(中)期待/進む高齢化 村の支えに

ネギの出荷作業に追われるベトナム人技能実習生。営農を支える貴重な戦力になっている=11月21日、男鹿市

 国が外国人労働者の受け入れ拡大へとかじを切る。事実上の永住も認める在留資格を新設する方針で、国会で大詰めの審議が続く。全国最速で人口減少が進み、労働力不足が深刻化している秋田県では外国人労働者にすがりたいとの至情が膨らむ。一方で制度上の課題も多く残されている。期待と不安が交錯する現場に入った。(秋田総局・鈴木俊平)

<新制度は追い風>
 秋田県大潟村は1964年、八郎潟を干拓した土地に誕生した。村の大半を農地が占める日本屈指の稲作産地で今、外国人労働者への期待が高まりつつある。
 村の真西に位置する男鹿市五里合(いりあい)地区。田畑に囲まれた作業小屋で11月下旬、ベトナム人技能実習生4人がネギの出荷作業を黙々と続けていた。
 「日本農業 進歩してる」。9月に来日したグエン・ヴァン・ベンさん(26)が片言の日本語で笑った。収穫作業を担う日々にやりがいを感じ「ずっとここで働く」と言う。
 実習生の在留期間は最長でも5年に限られるが、国が導入を目指す新在留資格に移行すれば、通算10年まで延長できるようになる。
 「可能な限り長くいてほしい。在留期間を延ばせる新制度は追い風だ」。グエンさんら6人の実習生を受け入れる大潟村の有限会社「正八」の宮川正和社長(56)が期待を寄せる。
 正八は大潟村のほか男鹿市や秋田県藤里町などに所有する畑で野菜作りを展開する。かつて繁忙期を支えた村内外の期間雇用者は高齢化が進み、5年前から集まらなくなった。
 人手不足に耐え切れず、宮川さんは2016年に実習生の雇用に踏み切った。借り上げ住宅の家賃負担などが経営を圧迫するが、背に腹は代えられない。来春にはさらに3人を迎え入れる。「安い労働力なんてうそ。でも受け入れ人数を増やす以外に選択肢はない」

<専門人材育てる>
 コメの生産調整(減反)の廃止、低調な米価、読み切れない消費市場…。開村から稲作に力点を置く村は高収益が見込める野菜や花きの作付け拡大を目指す。だが、コメと比べて手間がかかる作物ということもあり、人手不足の影響で思うように進まない。
 大潟村での野菜の作付けや有機栽培を担う人材の供給源だった周辺5市町村の人口は、00年から15年にかけて約2万減った。高齢化率は4割を超える。
 なりわいの稲作が親から子へと引き継がれる慣習が今も残るとはいえ、危機感は強い。村内のある農業生産法人幹部は「コメ以外の作物の需要が高まる中、マンパワー確保は喫緊の課題だ」と話す。
 打開策として村は16年から、国家戦略特区による農業分野での外国人労働者の受け入れを目指してきた。多品種栽培や6次産業化の推進などを通じ、外国人の働き手から専門人材を育てる青写真を描く。
 特区指定の吉報を待つ中で突如浮上した新在留資格。受け入れ対象には農業も入ったが、村産業建設課の担当者は「国の動向を注視しながら、特区指定への返事を待ちたい」と慎重な姿勢だ。
 高橋浩人村長は「国家戦略特区が足踏み状態の中、新在留資格の創設は前向きに捉えている」と説明。「入植者で成り立つ村は、外から人を入れることに抵抗感は少ないはず。村を支えるパートナーとして期待している」と語る。


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2018年12月04日火曜日


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