福島のニュース

<福島第1原発事故>古里喪失訴訟 住民側、賠償上乗せ要求

 東京電力福島第1原発事故で古里が失われたなどとして、福島県双葉郡の住民ら約220人が東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が3日、仙台高裁であった。東電は213人に計約6億1000万円を支払うよう命じた福島地裁いわき支部判決の取り消しを、住民側は同判決の認容額に計約18億8000万円を上乗せした賠償命令を、それぞれ求めた。
 住民側は一審で、1人当たり古里喪失の慰謝料2000万円と避難に伴う慰謝料月50万円を求めたが、訴訟の長期化で損害額が膨らんだため、古里喪失分は1人500万円、避難分は月5万円(事故発生から7年で計420万円)に圧縮。控訴審での実質請求額は計約24億9000万円となる。
 住民側は控訴理由書などで、一審判決の認容額は「古里喪失と避難の慰謝料を包括的に判断し、不当に低い損害評価だ」と強調。津波の予見可能性は「東電に課された高度な予見義務を全く検討していない」と批判した。
 東電は国の賠償基準(中間指針)を超える賠償を「合理性を欠く」と指摘。原発事故の過失も「巨大津波の予見は困難で、事故は防げなかった」と改めて主張した。
 3月の一審判決は、慰謝料の増額要件を事故回避対策を講じなかった東電の故意と重過失に絞った上で、事故前の東電の対応は「著しく合理性を欠くとは言えない」と判断。中間指針を超える認容額は帰還困難と居住制限、避難指示解除準備の各区域の原告が150万円、旧緊急時避難準備区域の原告は70万円とした。


2018年12月04日火曜日


先頭に戻る