福島のニュース

復興へ表現の形探る 柳美里さんと小松さんが対談

復興について語り合う柳さんと小松さん

 福島県南相馬市小高区で書店フルハウスを営む芥川賞作家の柳美里さん(50)と、いわき市在住のローカルアクティビスト小松理虔(りけん)さん(39)のトークイベントが1日、書店併設の劇場スペースであった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の復興の在り方や演劇について語り合った。
 小松さんの新著「新復興論」(ゲンロン)を基に、柳さんは「小高は海に近い場所。震災後の巨大防潮堤に違和感を持つ人は多い」と指摘した。小松さんは「父もそう話した。命を守るのだろうが、人間中心的で何かを奪っていった」と語った。
 小松さんは「被災の当事者感を過剰に発信すると利用されるパターンが増え、危うさを感じた」と吐露。「ただ、福島に関わるハードルを上げすぎると配慮しすぎて面白いものがつくれない」と持論を展開した。
 震災後、柳さんは南相馬に移り住み、被災者ら600人の話を聞いた。「抱え込んでしまった記憶を伝えられないかと今秋、2本の芝居を上演した。実は知らせたいという記憶のバトンはつなげると思う」と話した。2人は「いわきと相双(相馬、双葉地方)を、小さな表現の場や演劇でつなげよう」との意見で一致した。
 柳さんは書店開店後、知人の作家らとトークイベントを重ねてきた。書店は現在、改装のため休店中。


関連ページ: 福島 社会

2018年12月04日火曜日


先頭に戻る