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傷ついた子 社会で養育 仙台で里親制度の役割考える公開講座

これからの社会的養育をテーマにパネル討論する児童福祉関係者たち

 里親制度の役割を考える公開講座が11月下旬、東北福祉大仙台駅東口キャンパス(仙台市宮城野区)であった。仙台市里親会「ほほえみの会」の主催。市内の里親や学生、市民ら約100人が来場し、生みの親の虐待や貧困などで社会的養護が必要な子どもたちの現状などを学んだ。

 講座は「私たち市民が担う社会的養育のこれから」と題して開催。全国里親会副会長で、NPO法人児童虐待防止協会(大阪市)理事長の津崎哲郎氏が基調講演し「虐待の要因には貧困と家族の社会的孤立、親の人格の未熟性がある」と説明した。
 津崎氏は、都市化や経済格差の広がりで「虐待を生じさせやすい背景が拡大している」と指摘。「離婚と再婚を繰り返す複雑な家族も増えている。重度の虐待事件は、義理の親子関係で多い」と警鐘を鳴らした。
 児童福祉関係者5人によるパネル討論もあった。青葉区の乳児院「丘の家乳幼児ホーム」の須貝隆園長は、子どもの入所から退所までを同じ職員が担当し、6人ずつ分かれて暮らすことで家庭に近い養育に努めていることを紹介。「職員は勤務時間の制限があり、子どもたちとずっと一緒にはいられない。その限界を解決できるのが里親だと思う」と語った。
 10年ほど前、里親に委託される子は乳幼児が多かった。市児童相談所の里親等委託調整員の金谷恵子氏は3年前から中高生の委託も積極的に行っていることを挙げ、「傷ついた子どもの心の整理を支援する里親の役割を、目の当たりにしている」と述べた。
 コーディネーターを務めた東北福祉大の草間吉夫特任教授は「社会的養育を進めるには官民のネットワークが大切。多くの情報が集まる行政が全体の調整役を担ってほしい」と結んだ。
 厚生労働省の福祉行政報告例によると、市登録の里親は3月末現在、145世帯。実親の元で暮らせない子どもたち62人が里親家庭51世帯で生活している。


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2018年12月05日水曜日


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