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<震災・原発避難者向け住宅>全日本不動産協会山形県本部、県からの委託事務費2400万円不明

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の避難者向けに山形県が提供する借り上げ住宅制度で、県から事務作業を受託する全日本不動産協会山形県本部(山形市)が2011〜17年度、県から支払いを受けた事務委託料のうち約2400万円が行方不明になっていることが4日、関係者への取材で分かった。歴代の本部長は「どう処理されたか把握していない」と話しており、内部では幹部による私的流用を疑う声も出ている。

 県復興・避難者支援室によると、山形県は11年度から毎年、避難者の入居時などに発生する仲介業務の集約作業などを県本部に委託している。県本部は家賃や仲介手数料などを取りまとめて県に請求し、各会員に仲介手数料、住宅所有者に家賃などをそれぞれ送金している。
 県は集約の際に発生する手数料や人件費などを見積もった上で、17年度までの7年間で事務委託料計約2900万円を県本部に支出。避難者が多かった12年度は約600万円を支払っている。
 関係者によると、約2900万円のうち、必要経費約490万円を差し引いて残るはずの収入計約2400万円が本部の財産として計上されていないという。
 当時の本部長や理事らの私的流用を疑う声も出始め、一部会員が今年6月、説明を求めるために臨時総会の開催を請求。本部長は現行規約に基づかない請求だとして取り合わず、請求した会員の一人を注意処分とした。
 この会員は11月、処分の無効確認を求めて山形地裁に提訴。今年8月には15年度まで約9年間、本部長を務めた男性を業務上横領の疑いで山形署に刑事告発したという。
 告発された男性は取材に「委託料がどのよう使われたか、把握していない」と説明。現在の本部長も「私は昨年度から務めているので分からない」と話している。

[山形県の避難者向け借り上げ住宅制度]災害救助法に基づき、山形県が家賃などを立て替え、避難元の県に請求する。入居契約はいずれも単年度契約で、入居件数は2012年1月の3889件をピークに減少を続け、契約の更新件数も13年度の1306件から17年度は60件にまで減っている。


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2018年12月05日水曜日


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