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<亘理・山元ウイーク>撮ラベル/新たな窯伝統つなぐ 亘理・末家焼

成形した器を手にする文夫さん(左)と、絵付けをイメージするひろ子さん=岩沼市北長谷のギャラリー「ひろ窯・茜文麓庵(あかねぶんろくあん)」

 「多くの励ましでここまで来ることができた」。亘理伊達家由来の末家(ばっけ)焼窯元「ひろ窯」の加藤文夫さん(69)と妻ひろ子さん(64)の思いは同じだ。
 1986年、夫婦はひろ子さんの生まれ故郷、亘理町長瀞で伝統を再興した。25年の歩みを揺るがしたのは、東日本大震災だった。
 自宅兼工房にあった道具や土の研究データなどが津波で流された。展示と教室のために設けた岩沼市のギャラリーも半壊した。
 2013年、企業から支援された新しい窯を長瀞の工房に設置し、本格的に作陶を再開した。ギャラリーは昨年、改築を終えた。
 夫婦の原点は、鉄分が多く釉薬(ゆうやく)が薄くても硬く焼ける亘理の土。使い込めば味が出る器に、絵付けなどで、みやびを加えてきた。
 間もなく震災から7年9カ月。苦難を乗り越えた歩みが、目に見えない上薬となって2人の器を包む。


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2018年12月06日木曜日


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