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<トヨタ東日本岩手工場25年>現地調達増で復興貢献/杉山隆工場長に聞く

岩手工場のヴィッツ生産ライン
杉山隆(すぎやま・たかし) 関東学院大卒。1981年関東自動車工業入社。岩手工場車体部長、トヨタ自動車東日本東富士工場車体部長などを経て2017年4月から常務執行役員兼岩手工場長。60歳。静岡県富士市出身。

 トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の岩手工場(岩手県金ケ崎町)は今年、前身である関東自動車工業岩手工場の操業開始から25年を迎えた。10月に豊田自動織機長草工場(愛知県大府市)から主力小型車「ヴィッツ」の生産が移管され、年間生産数は30万台を超える。杉山隆工場長に歩みや事業展望を聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦、北上支局・布施谷吉一)

◎「ヴィッツ」移管 累計生産500万台達成へ

 −ヴィッツの生産が始まった。
 「ヴィッツの製造には小型ハイブリッド車『アクア』と同じ第2ラインを使っている。移管に当たり、アクアの製造の一部を小型スポーツタイプ多目的車(SUV)『C−HR』の第1ラインに移した」
 「当社の社員が長草工場に勉強に行くなどして、円滑に移管できるよう準備を進めた。これまで大きなトラブルなく生産できている。受注もおおむね当初の計画通りだ」

 −コンパクト車の製造拠点として重要な役割は。
 「完成車工場としてできるのは、部品の現地調達を増やして車の原価を下げること。生産現場の従業員が、てこの原理や滑車の仕組みを応用した『からくり』を製作して作業を効率化させる改善活動も定着しており、少しでも安く車を造ることに力を入れている」

 −操業開始から10年間は中・大型セダンが製造の中心だった。
 「当初はマークIIやヴェロッサといった大きな車も作っていた。2005年に第2ラインができて、小型車『ベルタ(海外名ヤリスセダン)』の製造を始めた頃からコンパクト車にシフトした」
 「11年、東日本大震災の復興の星と位置付けたアクアの生産を開始した。16年2月に100万台を突破し、当社最大のヒットとなった。同じ16年にはC−HRの製造も始め、岩手工場の累計生産は本年度内に500万台を達成する」

 −工場が立地する北上市周辺は半導体などの企業集積が進む。
 「産業の集積は岩手、東北にとって朗報だ。一方、企業にとっては人材確保が難しくなる。来年は半導体関連で2000人以上が必要と聞いている。今後も人手不足は続くだろう」
 「当社は小学生の工場見学を受け入れ、小さい時から車に親しんでもらう努力を続けている。昨年開設した企業内保育所など働きやすい環境の整備も必要。選ばれる会社になって東北で魅力的なコンパクト車を造り続け、復興に貢献したい」

<岩手工場25年の歩み>
1993年 関東自動車工業岩手工場完成
      コロナエクシヴ生産開始
2000年 マークII生産開始
  05年 第2ライン完成
      ベルタ(海外名ヤリスセダン)生産開始
  06年 オーリス生産開始
      米国自動車初期品質調査(IQS)で最高賞の「プラチナ賞」受賞
  10年 イスト、ラクティス生産開始
  11年 アクア生産開始
  12年 トヨタ自動車東日本発足
  15年 累計生産400万台達成
  16年 C―HR生産開始
  18年 ヴィッツ生産開始


関連ページ: 岩手 経済

2018年12月06日木曜日


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