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<亘理・山元ウイーク>吉田浜の宝 鳴り砂守る 住民ら被災乗り越え資料展示、清掃再開

住民が設置した鳴り砂の展示

 亘理町の住民組織「吉田東部地区まちづくり協議会」が本年度、地元の吉田浜に広がる鳴り砂をPRするための資料展示を開始し、東日本大震災で休止していた住民による海岸清掃を再開した。延長3.5キロの海岸に国内最大級の鳴り砂が分布している自然環境を守ろうと奮闘している。

 「キュッ、キュッ」。今年4月に同町吉田にある町農村環境改善センターの一角に設置された展示には、鳴り砂を小鉢に入れて鳴らすことができる体験コーナーがある。パネル展示では、石英が一定割合含まれないと音が出ないことや、石英の粒子の表面が汚れると鳴らなくなることなどを説明している。
 住民による清掃は協議会が呼び掛け、6月と9月にそれぞれ約100人が参加。プラスチック製品や漁網など計約1.6トンのごみを回収した。
 吉田浜の鳴り砂がクローズアップされるようになったのは2005年ごろ。「仙台湾鳴り砂探究会」の早川紘之さん(78)=仙台市若林区=らが発見し、06年に山形県飯豊町であった「全国鳴き砂(鳴り砂)サミット」で報告。全国の鳴り砂海岸地図に亘理町が加えられた。住民による清掃活動も定期的に行われるようになったが、震災で途絶えていた。
 津波で吉田浜も大規模に被災したが、早川さんが15年ごろに鳴り砂が震災前とほぼ同様に分布していることを確認した。早川さんは「津波で砂浜も泥をかぶったが、きれいな海水で洗われたと考えられる」と語る。
 早川さんの動きに呼応したのがまちづくり協議会だった。「まずは清掃活動などを通じて、地域の宝物を大切にする意識を高めたい」と協議会の多田武生会長(74)。今後、清掃や海岸でのイベントを担う組織づくりを計画しており、「交流人口拡大のきっかけにしていきたい」と話す。


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2018年12月07日金曜日


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