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<ベガルタ>天皇杯決勝 もったいない試合運び/手倉森誠

[手倉森誠氏](てぐらもり・まこと)青森県五戸町出身。五戸高、住友金属(現鹿島)、NEC山形(現山形)でプレー。仙台などのコーチを経て08〜13年に仙台監督。14年、U−21(21歳以下)日本代表監督に就任し16年のリオデジャネイロ五輪出場。18年ロシアW杯でA代表コーチとして日本の16強入りに貢献。来季からJ2長崎監督に就く。51歳。

 仙台にとって、もったいない天皇杯の決勝だった。特別なことを用意せずに普段通りのサッカーをやってしまい、浦和の巧みな試合運びに後手に回った感じに見えた。浦和のオリベイラ監督はタイトルの取り方を知っている。
 一発勝負のトーナメントはリズムが悪くても確実にゴールを奪った方が強い。前半13分に決勝点を奪われた場面は、それまで攻勢を仕掛けた仙台の最初のピンチだった。浦和がショートのCKからゴール前にクロス。ゾーンディフェンスを敷く仙台の守備陣は少しかき回され、クリアしたこぼれ球に誰も寄せに行けず、宇賀神にミドルシュートを決められた。
 リードを許し主導権を失った。仙台は準決勝まで3戦連続でゴールを決めたFWジャーメインにボールを集めたが、気持ちよくプレーをさせないのが浦和の強さ。追加点を取れない時は割り切ってボールを持たせて守備に重きを置いていた。後半、スピードのある関口や阿部を投入するも、ブロックを崩せなかった。
 仙台は決勝に進むべくして進んだと思う。「3−4−3」の布陣でボールを保持して相手の隙を突く戦術が浸透し、選手も成長している。ただ、何が何でもタイトルを取りにいく姿勢が浦和に劣っていた。決勝で敗れた悔しい経験を生かすのがタイトルへの道。現場だけでなく、フロントも含めたクラブ全体で本気で支えていかないといけない。


2018年12月11日火曜日


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