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秋田・大館のシンボル「正札」屋号も別れ 2001年倒産の百貨店、本館解体進む

解体が進む正札竹村の本館。赤い屋号は長年、大館のシンボルだった

 秋田県大館市中心部のビル屋上に掲げられ、2001年に倒産した老舗百貨店「正札竹村(しょうふだたけむら)」の赤い「正札」の屋号が本館の解体に伴い来年1月にも取り外されることになった。本館があった区画は建物と土地の所有区分が複雑で、解体後の跡地利活用も決まっていない。周辺住民は「シンボルがなくなり、中心市街地に空き地ができてしまう」と嘆く。
 正札竹村は経営悪化などで01年に倒産するまで140年以上続いた。戦後の高度成長期には化粧品やレストラン、美術ギャラリーなどを備えた文化発信拠点として親しまれた。
 1969年完成の地上9階の本館に面したおおまちハチ公通りでは、旧正月の伝統行事「アメッコ市」が開かれるなど中心市街地の象徴だった。住民は「周囲より小高い地域にあり、屋号は遠くからも見えた。特別な場所」と目を細める。
 同じ区画にある2棟の新館のどちらかに屋号を移す案もあったが頓挫し、市博物館に保管されることになった。市幹部は「倒産で債権を回収できなかった人もいる。屋号は負の歴史の象徴でもある」と解説する。
 現在、本館、新館2棟と土地は市が所有。外壁が崩れるなどしたため05年に買い取った。保存か解体かを巡る長い議論を経て、リフォームや耐震化に費用がかかることなどから解体を決めた。
 市は18年度予算に本館の解体工事費約1億7000万円を計上。本館解体費用の総額を約3億2500万円と見積もり、20年度末の完了を目標に工事を進めている。
 この区画では民間の店舗なども営業しており、市有地は図のように複雑な配置になっている。市は当時あった旧館を解体して多目的通路「ハチ公小径(こみち)」を整備したり、新館をリフォームして貸し出すなど対策を講じてきたが、利活用はうまくいっていない。
 市まちづくり課の斎藤和彦課長は、公共施設の建設計画はないとした上で「民間主導による利活用が進んでほしいが、区画を一体で再開発するのは難しく、買い手も手を出しにくいのではないか」と頭を抱える。


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2018年12月11日火曜日


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