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名取・閖上津波訴訟控訴審 遺族側「市の過失」 防災計画の不備を主張

 東日本大震災の津波で家族4人が宮城県名取市閖上地区で死亡・行方不明になった遺族が市に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審口頭弁論が11日、仙台高裁であった。遺族側は震災前の市地域防災計画に防災行政無線を津波情報の伝達手段の一つとして明記しないなどの不備があったとして、市の組織的な過失を新たに主張した。
 遺族側は今回提出の書面で、災害対策基本法は災害から住民を守る自治体の責務として、防災計画の策定や必要な訓練の実施などを定めていると指摘。震災前の防災計画は無線を広報手段と位置付けず、「市には防災計画の適切な改訂と計画を機能させるための訓練を怠った組織的過失がある」と強調した。
 「責務」は通常、法的義務を伴わないとされるが、国や自治体の「責務」は実質的に法的義務に近い概念で「例外的に違法と評価される場合があり得る」とした。
 無線が震災当日に故障して鳴らなかったことには「明らかな物理的欠陥があった」と指摘し、公の設置物に管理不備があった場合の賠償責任を定めた国家賠償法2条の適用を改めて主張した。


2018年12月12日水曜日


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