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<伯楽星>22歳女性杜氏、酒蔵に新風 「新沢醸造店」渡部さん 国際コンクールで最高賞

酒の仕込み作業に取り組む渡部さん
酒の仕込み作業に取り組む渡部さん

 日本酒の「伯楽星」で知られる新沢醸造店(宮城県大崎市)が、製造責任者の杜氏(とうじ)に渡部七海(ななみ)さん(22)を異例の若さで抜てきした。11月には国際的な酒のコンクールで最高賞を受け、幸先の良いスタートを切った。「今でも会社の酒の一ファン」と謙虚な姿勢を崩さず、川崎町に構える酒蔵に新風を吹き込む。

 渡部さんは2016年4月に入社。今年9月に杜氏となり、年上ばかりの10人前後の従業員を製造現場で束ねる。「周りのメンバーが支えてくれる」と若き杜氏に気負いはない。
 渡部さんへの会社の信頼は厚い。杉原健太郎専務(41)は「利き酒の能力が高い。臨機応変な対応が求められる酒造りの現場で、冷静な判断もできる」と評価する。
 神奈川県大和市出身の渡部さんは東京農大短期大学部を卒業した。ヨーグルトへの興味から醸造学科を選んだが、短大生活を通じ、こうじと酵母のバランスで多様な味が生まれる日本酒に強い関心を持った。
 就職先を選んだきっかけは、新沢醸造店が東京都で開いた試飲会でアルバイトをした経験だ。伯楽星の「究極の食中酒」というコンセプトに引かれた。「主役ではなく、料理を引き立てる名脇役を目指すのは面白い」と感じたという。
 杜氏として手掛けた酒で最高賞に選定されたのは世界的な品評会「ブリュッセル国際コンクール」の本醸造酒部門。渡部さんは都内で11月21日にあった表彰式に出席し「みんなが現場でやったことが評価された」と喜んだ。
 杜氏になった後も、自社の酒のファンとしての目を大切にする。お気に入りには「コメの余韻が感じられる」と伯楽星の特別純米を挙げる。
 「メンバーとの会話を大事にし、気付いたことを言い合えるようにしたい。菌からの声は聞こえないから」と渡部さん。「新沢醸造店の良い『色』を変えず、飲んだ人に今年もおいしいと喜んでもらいたい」と笑顔を見せる。


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2018年12月13日木曜日


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