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<週刊せんだい>仙台圏のキリシタン物語(2)ゆかりの地で偉業伝承 大郷・東成田地区と支倉氏

宮城県大和町出身の彫刻家、故佐藤忠良氏が制作した支倉常長像の前で、常長への思いを語る山口公子さん=大郷町東成田
支倉常長のものとして、東成田の住民によって大切に守られてきた墓。墓石には「梅安清公禅定門 支倉氏」などと刻まれている
学芸員課程を履修する大学生が資料の展示作業を行ったガブリエル・ロワール展=宮城学院礼拝堂

<長生きした説も>
 春はツツジやハナミズキが咲き秋はヤマカエデの紅葉が美しい山里の公園に、慶長遣欧使節を率いた支倉常長の像が立つ。宮城県大郷町東成田に町が整備した支倉常長メモリアルパークは、常長の墓とされる一つがあり全国から来訪者が絶えない。
 「初めていらしたのですか。詳しい資料をどうぞ」。近くに住む農家の山口公子さん(76)は、毎日のようにパーク内を清掃し、町が発行したパンフレットを配る。地区で生まれ育った公子さんは長年、親族らと墓の手入れを担ってきた。1996年夏に公園ができた3年後からは、夫の忠さん(78)と共に町の委託を受けパークの管理を続けている。
 常長は仙台藩祖伊達政宗の命で欧州へ赴き、スペインで洗礼を受けた。江戸幕府のキリシタン弾圧という不遇の運命の中、1620年に帰国した翌年(2年後との説もある)に亡くなったとされる。しかし、東成田では、政宗の計らいで常長は義弟常次の知行地だったこの地に隠居し、キリスト教を信仰しながら1654年まで長生きしたと伝わる。

<不思議な習わし>
 東成田にはキリシタンの遺風とされる習慣がある。山口家では毎年1月20日、前年の端午の節句に用いたヨモギを小皿に載せて火を付け、「頭痛くならないように」「腹痛くならないように」と唱えながら小皿を持って十字を切るまじないをする。
 「幼い頃から、家族みんなで朝食前にお膳を囲んでやっていた」。公子さんは不思議な習わしだと思ったことはなかったが、「今あらためて考えると、キリスト教と何か関係があるしきたりなのかもしれない」。
 常長の子孫は、大郷町やキリスト教と深い縁がある。後を継いだ長男常頼は、弟の常道や3人の使用人がキリシタンであったことに連座し、死罪となった。常長の孫、常信の代には許されて、町内での再興が認められた。パーク内の山林には、義弟常次の墓もある。忠さんは「常長や常次の墓の周辺に、支倉家の墓石がまだまだ埋もれているのではないか」と推測する。
 東京五輪、パラリンピックが開かれる2020年は、常長の帰国から400年となる。公子さんは近年、パーク内で町内の子どもたちを見かけなくなったことを憂慮している。昔は小学校の遠足で、児童が墓参りに訪れていたという。「2年後へ向けて、郷土ゆかりの常長について学習する活動が盛んになってほしい。今後は、パークの清掃を地域の子どもたちにも協力してもらい、後世に継承していけたらいい」と願う。
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 仙台圏のキリシタンにまつわる地域の歴史や風習などを紹介します。

◎学内の魅力全て表現 宮城学院クリスマスマーケット

 祈って、出会って、聴いて、楽しんで。礼拝やマルシェ、展示会、コンサートなど、多彩な企画が展開される「第5回宮城学院クリスマスマーケット」が、16日に仙台市青葉区の桜ケ丘キャンパスで開かれる。
 商業的なイベントとは異なり、家族連れからお年寄りまで、誰もが自由な巡り方でそれぞれに「ほんもののクリスマス」を見つけてもらうことをコンセプトとしている。
 クリスマスマーケットは、ヨーロッパ各都市の広場で25日までの約4週間行われる伝統的なお祭り。発祥は、14世紀のドイツ・ドレスデンとされる。
 宮城学院は、牧師の押川方義(まさよし)や米国人宣教師W・E・ホーイらによって1886年9月、宮城女学校として開校した。現在はキャンパス内に認定こども園、中学、高校、大学、大学院がある。「卒業生も含め、本学らしさを全て表現できる場を」という教職員有志の発案でクリスマスマーケットは2014年に始まった。
 毎年、多くのOGや在学生がマルシェに出店するほか、コンサートに出演。地域住民にとってもキャンパス内を満喫できる日として評判を呼び、昨年の来場者は初回から1750人増えた2600人となった。
 約200人いる大学生ボランティアの1人、学芸学部3年熊谷彩乃さん(21)は、礼拝堂のステンドグラスを手掛けたフランス人作家ガブリエル・ロワールの展示会を担当。「ミッションスクールらしい温かな雰囲気を感じてもらいたい」と来場を呼び掛けている。
[メモ]開催は午前11時〜午後5時。各企画の開始時間はホームページで紹介している。連絡先は宮城学院女子大社会連携センター022(277)6138。


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2018年12月13日木曜日


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