宮城のニュース

<データで見る不登校>より丁寧な 意思疎通重要/市対策検討委 佐藤静委員長に聞く

[さとう・しずか]東北大大学院情報科学研究科修了。宮城県職員、宮城教育大助教授などを経て2005年同大教授。専門は臨床心理学。62歳。仙台市出身。

 学識経験者らが不登校の現状を分析し、効果的な対応策を議論する仙台市不登校対策検討委員会は本年度内に提言をまとめ、佐々木洋教育長に提出する方針だ。市教委による不登校の実態調査から見えてきた課題と対策のポイントを、委員長を務める佐藤静宮城教育大教授に聞いた。(聞き手は報道部・田柳暁)

 −実態調査にはどのような意義があるか。
 「不登校は、環境の変化や思春期の心の特性、人間関係などさまざまな要因が複雑に関係しており、すぐに解決するのは難しい。調査からは、学校と保護者のより緊密で丁寧な意思疎通が、解決の第一歩になることが見えてきた」
 「保護者向けの調査は回答数は少なかったが、不登校と向き合う親の意見はとても大事だ。貴重な声が届いたと受け止めている」

 −教諭向けと保護者向けの調査で、互いの連携を巡り認識に隔たりがあった。
 「子どもが不登校になれば保護者は焦り、早期復帰を期待する。学校はチームとして対応するが、現状では支援の方針などを保護者に伝える仕組みがない。気持ちや考え方のずれはやむを得ない。意思疎通に一層の工夫が必要だ」

 −学校側にどのような対応が求められると思うか。
 「学校は担任や他の教諭、スクールカウンセラーらが相談して支援の在り方を決める。ここに保護者を加えてはどうか。学校と保護者が協働して支援態勢をつくり、一緒に子どもの成長を支えるべきだ」

 −不登校に対する保護者の理解も重要になる。
 「なぜ不登校になったのか、どんな支援が必要かなど保護者も背景や対応策について、より理解を深める必要がある。無理に登校させると、逆に解決を長引かせる結果になりかねない」
 「カウンセラーやフリースクールの関係者と何度も話し合い、登校できるようになった子どももいる。学校と保護者が共通認識を持って不登校と向き合ってほしい」


2018年12月15日土曜日


先頭に戻る