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「村井2法」に賛否 水道・水産改革で「経済影響懸念」「国政を先取り」

 村井嘉浩宮城県知事が制定への旗振り役となった二つの法律が、先の臨時国会で成立した。自治体が水道事業を民間企業に委ねやすくする改正水道法と、漁協などへの優先的な漁業権割り当てを廃止する水産改革関連法。一知事がモデル事業を掲げ、法制化の先頭に立ったのは異例だ。「村井2法」を巡る県選出国会議員の賛否は交錯。「県の判断と責任が重みを増す」との指摘もある。

<行政の監視必要>
 改正水道法は自治体が水道事業の運営を民間に委ねる「コンセッション方式」が柱。広域上水道など3事業の運営を一括して任せる「みやぎ型管理運営方式」の前提だ。村井知事は11月29日の参院厚生労働委員会で改正の必要性を訴えた。
 自民党の愛知治郎氏(参院宮城選挙区)は深刻な水道施設の老朽化を挙げ、民間活用の意義を強調。料金高騰の懸念には「老朽施設の更新はコストがかかる。安易な値上げにならないよう行政が監視する必要がある」と課題を示した。
 「民間がインフラ維持管理で稼げるのか。命の源、水の安全を守れるのか」。立憲民主党の岡本章子氏(衆院比例東北)は「コストカットが先行し、業者が切られて地元経済が冷え込まないか。災害時の対応も心配」と危惧する。

<資源有効活用へ>
 水産改革関連法は村井知事が2013年、県漁協の猛反発を押し切って導入し、沿岸漁業権を民間に開放する水産業復興特区がベースだ。関連法には地元の漁協や漁業者に優先的に漁業権を割り当てる漁業法の規定の廃止が盛り込まれた。
 自民党の小野寺五典氏(衆院宮城6区)は「漁場活用と漁業者が安心して仕事を続けられるようにする法律」と説明。資源管理のため漁獲上限を定める制度の対象魚種が広がることも踏まえ「漁業者が計画的に資源を有効活用する考えに改めることが大事」と話す。
 「大反対。ただただ残念」と拙速な審議を嘆くのは衆院会派「無所属の会」の安住淳氏(宮城5区)。対決法案となり、参院委員会では採決が強行された。
 特区が唯一適用された石巻市桃浦の合同会社の検証が不可欠と指摘。「特区は県がかなりの公的資金を投入し、げたをはかせた状態だった。げたがないまま民間に開放し、うまくいくのか」と疑問視する。

<復興の看板政策>
 「水道」「水産」改革は国内第1号の仙台空港民営化とともに、村井県政が掲げる東日本大震災からの創造的復興の看板政策だ。
 自民党の土井亨氏(衆院宮城1区)は「国政の先取りで先頭を走っている。先進県ほど国の支援は手厚い。だからこそ成功が今後の鍵」と指し示す。
 国民民主党の桜井充氏(参院宮城選挙区)は「安倍政権の規制改革推進会議と『小さな政府』を目指す知事の考え方が一致する」と分析。「2法は県の的確な規制やコントロールが重要。県の役割は非常に重い」と運用面の課題を挙げる。


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2018年12月16日日曜日


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