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<ベガルタ・2018検証>(下)目標30億円/事業規模拡大へ全力

浦和との天皇杯決勝ではゴール裏の観客席を仙台サポーターがベガルタゴールドに染め上げた

<動員数尻上がり>
 夏休み中の子どもたちがユアスタ仙台(仙台市)に集まった。8月1日の名古屋戦。仙台は仙台市内の全児童を観戦無料とし、保護者に格安でチケットを販売。入場者1万3968人の7.3%に当たる1026人がサービスを利用した。
 「『ゴールデンエージ』である小学生にターゲットを絞り、初観戦を促したかった」と担当者。「3%あれば良い方だと思っていた」と思わぬ盛況に確かな手応えを得た。
 今季のユアスタ仙台でのリーグ戦、YBCルヴァン・カップ(計21試合)の平均入場者数は1万3949人と昨季より約1200人増。リーグ最終戦の11月24日の鹿島戦ではチケットが完売するなど、観客動員は尻上がりとなった。西川善久社長は「クラブのさまざまな取り組みが実を結んできた」と振り返る。
 昨季は2010年のJ1復帰後から最低の入場者数と苦戦。平均年齢が45.2歳と16年に比べて0.7歳上昇するなどファン層の固定化が原因と考え、年齢層を広げるべく積極的な集客策に打って出た。
 児童の観戦無料に加え、ユアスタ仙台がある仙台市泉区の約7万6000世帯を対象に回覧板を通じて招待。来季からは高校生以下が対象だった格安のチケット料金を23歳以下まで拡大。若者をつなぎ留め、リピーターの増加を狙う。

<人件費は下位に>
 積極策は危機感の裏返しでもある。17年度のJ1全18クラブの決算に基づく営業収益と選手の総年俸などを表すチーム人件費は表の通りで、仙台は最低レベル。来季で10年続けてJ1に定着できるのは的確な補強など現場の努力の成果だが、限度がある。
 ライバルは事業規模を広げる。神戸は積極的な資本投入で元スペイン代表のMFイニエスタらを獲得。湘南はフィットネスクラブの運営会社から3年で10億円の出資を受け、J2町田もIT大手の傘下に入った。
 仙台もクラブ創立25周年を迎える来季は選手への経費を積み増し、事業規模を30億円の大台に近づけたい考え。在仙のスポンサー企業も現在の約450社から500社の突破を目指す。西川社長は「背伸びしてでも事業規模を拡大しないと、J1の上位に定着できない」と強調する。
 9日の天皇杯決勝(埼玉スタジアム)では約1万人のサポーターがタイトル獲得を信じて声援を続けた。来季こそ熱い思いに報いるため、地方の市民クラブの経営力が試されている。


2018年12月16日日曜日


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