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<東日本大震災>福島からの県外避難者 実態把握に難しさも

仙台市内で継続的に開催されている避難者の健康サロン。福島県からの避難者も参加している=5日、仙台市青葉区

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴う福島県からの県外避難者数は、復興庁が避難先の自治体からの報告を基にまとめており、実態把握に向けた対応は自治体によって大きく異なる。
 福島からの避難者が1389人(10月時点)の仙台市は、窓口での申し出に基づき集計。追跡調査は行っておらず、仮に市内に定住したり福島県内に戻ったりした場合でも「本人からの申告がなければ、引き続き避難者としてカウントしている」(区政課)という。
 山形県は独自に県内市町村の協力を得て福島からの避難世帯を訪問。11〜12月は重点期間で、支援員らがコメ2合を届けながら現況などを確認している。
 福島からの避難者は1842人(11月時点)。ピーク時(2012年1月)の1万3033人から大きく減った。山形県復興・避難者支援室は「戸別訪問で避難者の状況を丁寧につかめている」と強調する。
 一方、震災では岩手、宮城からも県外に避難しており、復興庁によると、11月時点の県外避難者は岩手1064人、宮城4292人に上る。宮城県は独自に意向調査も実施し、帰郷の意思があるのは176人という。
 福島県は16年2月を最後に県外避難者の実態を調査していない。県避難者支援課は「首都圏など全国26カ所に復興支援員を配置し、避難者が抱える課題に個別に対応している。全体の傾向も把握できている」と主張する。
 避難者を巡る課題について、いわき明星大の高木竜輔准教授(地域社会学)は「避難指示が解除された地元と避難先を行き来する『通い復興』の状況が続き、『避難者』の定義も曖昧になっている。支援すべき対象を明確にしていく必要がある」と指摘する。


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2018年12月16日日曜日


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