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<職員・教員採用試験>東北6県と仙台市が同日程…学生から不満、自治体側理解求める

仙台市教委が開いた教員採用の説明会。来年も1次試験の日程は宮城県教委などと同じになる見込みだ=8日、市役所

 1次試験が同じ日程で行われる東北6県や仙台市の行政職員、教職員の採用試験に、学生から不満の声が出ている。行政職は例年6月下旬、教職員は7月下旬に一斉に行われ、東北では2県併願や仙台市と県の同時受験はできない。「複数の受験機会が欲しい」との声があるものの、特定の県などへの受験者の集中回避といった狙いもあり、採用側が応えるのは難しいのが実情だ。(報道部・田柳暁)

<日程早い関東へ>
 仙台市教委が8日に市役所で開いた説明会。教員を志す学生ら約90人が参加した。来年の採用試験の1次試験は例年同様、7月下旬で、東北の各県教委も同じ日程になるとみられる。
 仙台市出身の東北学院大3年伊藤光希さん(21)は「市教委と県教委のどちらを受験するか迷っている。場慣れするために少し早い日程で実施する関東の採用試験も受ける」と話す。
 仙台市と、出身の山梨県での受験を考える東北福祉大3年の女子学生(21)は「東北の人口が減る中、複数の選択肢を示せば東北に残る人を増やせるのではないか」と指摘した。
 東北、北海道、関東の各都道県と政令市が2018年度に行った採用試験1次試験の日程は表の通り。行政職は大卒程度対象の一般職員、教職員は公立学校教員の各試験を指す。

<同じ問題を使用>
 同一日程の理由の一つは試験問題の作成だ。県や政令市の行政職員試験は、独自作成の東京都や大阪市などを除き、公益財団法人日本人事試験研究センター(東京)が作る問題を使う。
 ある県の人事委員会担当者は「同じ問題を使う以上、同日程にせざるを得ない。自前で作ると手間もコストもかかる」と説明する。
 ブロック内で各県や市の序列が生まれる懸念もある。教職員の試験問題は各教委が作成するが、教育関係者の一人は「日程を合わせないとある県に受験者が集中したり、辞退者が拡大したりする。結果的に一定程度関東に流出するのは仕方がない」と話す。
 北海道では、道職員の試験日程を早めたところ辞退率が上昇した。他県や札幌市と同日程だった14年度までは2割前後だったが、15年度は4割、16年度以降は6割に跳ね上がった。
 各自治体は見直しに消極的だ。仙台市人事委員会の担当者は「日程をずらせば受験者は増えるかもしれないが、あくまで目的は多様な人材の確保」と話す。宮城県人事委員会は「辞退者が多くなれば、必要な採用数を確保できなく恐れがある」と理解を求める。


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2018年12月17日月曜日


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