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民間水道事業者が負担増を要求「応じなければ供給停止」住民反発、組合結成も視野

民間事業者による水道事業の経営悪化が表面化した岩手高原ペンション村

 ペンションや別荘が立ち並ぶ岩手県雫石町の長山岩手山地区で、水道使用料を巡るトラブルが起きている。水道施設を管理する民間事業者が地区住民に負担増を求め、応じなければ水の供給を停止すると通告した。水道事業への民間参入を促す水道法改正で示された懸念を先取りする事態と言えそうだ。
 岩手山山麓の岩手高原スノーパークに隣接する長山岩手山地区は、40年以上前のリゾート開発で誕生。ペンション村を中心に35世帯が水道を利用している。
 水道事業は開発当初から民間事業者が担っており、昨年9月以降は仙台市青葉区のイーテックジャパンが業務を引き継いだ。
 水道使用料はペンションが1立方メートル当たり140円。住宅や別荘、土地のみの所有者は、使用量にかかわらず施設維持管理料として年間1万6200〜3万2400円を支払ってきた。
 地区住民によると、イ社は11月22日以降、3回にわたって住民説明会を開催。通常の水道使用料に加えて9、10月にかかった水源ポンプの電気代約51万円を負担するよう地区住民に求めてきた。
 イ社は「施設維持管理料など住民の未払い金が計140万円に上り経営を圧迫している」と説明。住民が電気代の肩代わりに応じない場合は「17日に水の供給を停止する」と通告した。
 住民からは「経営状況を説明してほしい」「使用頻度の低い別荘所有者が居住者と同額を支払うのはおかしい」といった声が上がったという。
 書き入れ時のスキーシーズンを迎え、ペンション経営の男性(69)は「ポンプの電気代は、月々支払っている水道料金内で賄うべきだ。水道が止まったら商売ができなくなる」と怒る。
 別の男性経営者(72)も「水道設備は老朽化しており、今後も事業者の都合で修繕費などを水道使用料に上乗せ請求される可能性がある」と先行きを案じた。
 電気代滞納に起因する水の供給停止を懸念する地区住民は16日、11、12月分の電気代肩代わりを条件に、東北電力岩手支店(盛岡市)に対して電気を止めないよう要請することを協議。代理人弁護士が17日、東北電力との交渉に臨んだ。
 代理人弁護士は「最悪の事態は回避できそう」と話しており、今後も東北電と協議を続けるという。
 差し迫った危機は脱したものの、問題解決の先行きは見通せない。地区住民からは「水道を利用する住民で組合をつくり、管理することも話し合いたい」といった声も出ている。
 町上下水道課の担当者は「民民の契約問題に行政は介入できない」と困惑。「事業者には水道を止めないようお願いしている。供給停止となった場合は仮設の給水所を設置し、住民の生活に影響が出ないように対応したい」としている。
 イ社は「取材には応じない」としている。


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2018年12月18日火曜日


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