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マンション防災、カードゲーム「クロスロード」で学ぶ 極限状態での選択、想像膨らませ、互いの意見尊重

ワークショップで行動を選択した理由を説明する参加者

 官民の団体でつくる「マンション管理支援ネットワークせんだい・みやぎ」が、災害時の行動を選択する防災カードゲーム「クロスロード」を利用し、マンション防災を学んでもらう取り組みを進めている。集合住宅は多くの関係者の合意形成が必要で、互いの考えを尊重し合うクロスゲームは参加者から好評という。

 仙台市内のマンション管理組合の役員や金融機関の担当者、市職員ら15人が参加し、市役所で11月下旬に開かれたワークショップ。コーディネーターから、人命に関わる難しい質問を投げ掛けられた。
 「崩壊する可能性のあるマンションに被災者を受け入れるか」
 3班に分かれた参加者は、頭を悩ませながら「YES」「NO」のカードを選び、互いに理由を説明し合った。
 マンションリフォームを担当する住宅金融支援機構東北支店の田口綾夏さん(25)は「災害が起きたときにどう行動すればいいか、想像を膨らませることができた」と感想を語った。
 コーディネーターを務めた防災士、田中勢子さん(65)は「クロスゲームはお互いの考え方を確認することができる。問題を作ることで伝承にもつながるので自分たちの地域版も作成してほしい」と訴えた。
 ネットワークは昨年8月、セミナーにクロスロードを初めて導入した。参加者から「互いの意見を素直に聞く必要性を改めて認識した」「多様な意見を聞けて良かった」などの感想があった。マンション管理や防災に役立つとして、継続的な活用を決めた。
 市住宅政策課の担当者は「クロスロードは『防災活動に生かせる』との声があり、参加者の満足度は高い。専門家の講演や関係者同士の意見交換会に加え、今後もイベントなどでクロスロードを活用したい」と話した。

[クロスロード]カードゲーム形式の防災教材。正解がなく、過去の事例が正しいとも限らない質問に「YES」か「NO」のカードを選び、参加者同士で意見交換する。1995年の阪神・淡路大震災で、神戸市職員が経験したジレンマなどを事例に、2004年に第1号となる神戸編・一般編が開発された。東日本大震災後、仙台市職員の体験から質問を作成した仙台編も登場した。


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2018年12月19日水曜日


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