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<光探訪・仙台冬景色>(1)のれんの先温まる

高層ビルのすぐ近くで営む「大分軒」。のれんをくぐると、そこは懐かしい空間。内田さん(中央)の笑顔とおでんの湯気が迎えてくれる=仙台市青葉区中央2丁目

 赤ちょうちんに明かりがともると、吸い寄せられるように仕事帰りの人たちがのれんをくぐる。仙台市中心部の青葉通で、市内でただ1軒になった屋台「大分軒」が店を開いた。
 「へい、いらっしゃい」と迎えたのは、手拭いで鉢巻きをした内田菊治さん(85)。客は早速、おでんやビールでくつろぐ。10人も座れば満員御礼。
 終戦直後は数百軒の屋台が連なった仙台だが、1965年に「営業は一代限り」と決まった。大分県出身の内田さんが出店したのは、その前年の10月だった。
 「健康でいる限り続けたい」と内田さん。盛岡市から仙台へ新幹線で通勤する増沢いま子さん(60)は、仕事帰りによく立ち寄る。この日はコップ酒。「大将が頑張っていると、私も負けていられないって励まされるのよね」。屋台というタイムカプセルの中で、客は心地よく酔って温まる。

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 冷え冷えとした冬の夜、仙台とその近郊の街で光がきらめく。優しくほのかな明かりもあれば、見とれるばかりの豪華な光景も。年の瀬、光が織りなす心温まる景色を探した。
(写真部・藤井かをり)


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2018年12月20日木曜日


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