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<ILC>学術会議「誘致支持せず」 厳しい所見に関係者落胆「政府は前向きな決断を」

 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致に対する日本学術会議の所見は、計画を支持しないとする厳しい内容だった。計画の前進は、2019年3月を期限とする日本政府の判断にかかっている。建設候補地の北上山地を抱える岩手、宮城両県の関係者は「前向きな決断」を政府に求めた。
 「回答案とあまり変わらない内容で、正直がっかりした」。建設候補地となる一関市の勝部修市長は学術会議の所見に落胆した。達増拓也岩手県知事は河北新報社の取材に「科学者組織としてお金がかかる事業に慎重にならざるを得ないのだろう」と語った。村井嘉浩宮城県知事も「大変残念」との談話を出した。
 ただ今後は議論のステージが政府内に移るため、関係者は早くも気持ちを切り替えている。日本政府の意思表示の期限は、欧州の次期素粒子物理計画にILC計画を組み込むため年内とされたが、来年3月7日に延期された。
 達増、村井両知事は21日に上京し、自民党と内閣府、文部科学省で要望活動する。両知事は「(次の段階となる)国際協議に向け政府の前向きな判断を期待する」とコメントした。
 所見は、ILC計画のような実験施設の巨大化を前提とする研究スタイルは「いずれ限界に達する」と指摘した。東北ILC準備室長の鈴木厚人岩手県立大学長は「科学は巨大化といった限界の壁をそのたびに克服し、知見をつないできた」と言い切る。
 政府は年明け以降、判断を示すとみられる。東北ILC推進協議会の高橋宏明代表は「ILCは日本の科学技術立国や東北の発展につながる」、部品荷揚げ港と見込まれる気仙沼市の菅原茂市長も「全力で要望する」と訴えた。


2018年12月20日木曜日


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