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<18みやぎ回顧>(5)栗原市、大崎市で談合発覚/事なかれ主義、事態悪化

(右上から時計回りに)記者会見で謝罪する千葉健司栗原市長、栗原市役所を家宅捜索する捜査員、大崎市の入札会場のコラージュ

 「途中で防げた事件」との印象を拭えない。
 宮城県警は7月、官製談合防止法違反などの疑いで栗原市幹部を、公競売入札妨害容疑で市内の業者2人を逮捕した。市幹部が談合情報を伝え、無償で自宅の工事を受けたことも後に発覚、贈収賄事件に発展した。
 裁判で、市幹部は2010年ごろから少なくとも7件の情報を業者に漏らしたと供述した。癒着関係が約8年続き、談合が放置されてきたことになる。
 業界関係者によると、贈収賄容疑で逮捕された市幹部と業者は数年前から2人で話し込む姿が頻繁に目撃された。周囲から「あの業者は最近やたらと仕事を取る」とささやかれていた。
 逮捕の4カ月前にあった市議会2月定例会では、談合で成立した最低制限価格と同額落札の工事を複数の議員が追及した。捜査のメスが入る前に、市が自浄できる最後のチャンスだったかもしれない。
 だが、市側の見解は「適正」。落札者と他社の入札額が僅差であることを理由に、公正競争と言い切った。
 自治体が不自然な入札を放置し、傷口を広げたケースは他にもある。大崎市と県発注の測量工事を巡る談合事件。最低制限価格と同額の落札が頻発し、周囲が疑惑の目を向けていた。
 ここでも行政側は「適正」との主張を曲げなかった。公正取引委員会は7月、13〜16年度の市発注測量業務のほぼ全てを談合と認定。県北の16社が指名停止となる異常事態に陥った。
 不可解な入札、妙なうわさ、議会での追及…。行政が自分たちで問題を掘り下げる機会はあったはずだ。「役所の事なかれ主義が事態を悪化させた」との業者の指摘に深くうなずいた。
 「誠に遺憾。透明性、公平性を図っていく」。くしくも、両市のトップは同じ言葉を口にし、入札改革に取り組むと誓う。
 いかに改革をうたおうとも、制度を構築、運用するのは人間だ。「人は魔が差す。談合に完璧な対策は無い」との業者の言葉を思い出す。問題から目を背け、臭い物に手を突っ込もうとしない土壌が組織にある限り、同じことはまた起こる。
(栗原支局・土屋聡史、大崎総局・大場隆由)

[メモ]栗原市発注工事を巡る官製談合と贈収賄事件で仙台地裁は11月、元市建設部次長佐藤義夫(懲戒免職)、米倉設備工業元専務米倉智章、丸安建設元社長白鳥泰行の3被告をいずれも有罪判決とした。大崎市の談合では、公取委が7月、独禁法違反(不当な取引制限)で関係業者17社に排除措置命令を出した。


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2018年12月22日土曜日


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