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牛飼育 ICT活用で楽々 データを一元管理、農家の負担軽減するシステム構築 福島・飯舘

雌牛の首に取り付けたセンサーの情報をタブレットで確認する佐藤さん

 福島県有数の和牛産地だった飯舘村で、ICT(情報通信技術)を活用した畜産の実証実験が行われている。雌牛の首に巻き付けたセンサーがその動きで発情期を察知し人工授精のタイミングをつかんだり、タブレット端末で牛舎内を随時確認するなど、農家の負担を軽減するシステムを構築。東京電力福島第1原発事故で大打撃を受けた「飯舘牛」の産地再生を目指す。
 実験は10月上旬から、県が富士通エフサス(東京)と共同で実施。村で約50頭の繁殖和牛を飼育する佐藤一郎さん(57)の約900平方メートルの牛舎を活用し、来年3月下旬まで続ける。
 受精後の雌牛は牛舎内のモーションカメラで監視。正確な分娩(ぶんべん)予知を目指す。全体を見渡せるカメラも各所に設置し、異常をすぐに発見できるようにする。
 個体情報はインターネット上で一元管理し、農家はパソコンやスマートフォンで情報の確認や入力が可能。農産物の生産工程に関する認証制度「GAP(ギャップ)」の取得に必要な項目を点検できるスマホ用のアプリも用意する。
 佐藤さんは原発事故で相馬市に避難し、5月に飯舘村で営農を再開した。「分娩前に牛舎に泊まり込む必要がなく、負担はだいぶ軽減される。さまざまなデータを一元管理できる。後継者に簡単に飼育方法を伝えられるのもいい」と語る。
 県畜産課によると原発事故前、飯舘村の繁殖農家は約210戸に上ったが、現在は6戸にとどまる。担当者は「ICTを活用することで営農再開のハードルを下げられる。飯舘牛の産地復活につなげたい」と話している。


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2018年12月22日土曜日


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