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<19年度予算案決定>放射光整備へ本格化

 政府の2019年度当初予算案で、東北関連は仙台市に建設する次世代型放射光施設、秋田市が候補地に挙がる地上配備型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の整備に向けた本格予算が組まれた。東日本大震災の復興特別会計は18年度当初比9%減の2兆1348億円。4年連続で前年度当初を下回り、過去最少となった。国の「復興・創生期間」は20年度末で終了する。岩手、宮城の津波被災地の再建は仕上げ段階に近づいたことから、東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島の復興再生に重点配分が加速した。11〜20年度で総額32兆円の復興財源から約1兆4000億円を19年度当初に充て、残高は約1兆8000億円の見込み。

◎加速器/企業出資72億円予定

 加速器関連プロジェクトのうち、東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)に建設が決まった国内初の次世代型放射光施設に推進費13億2600万円を計上した。内訳は施設整備費に約9億5000万円、人件費など業務実施費に約3億7000万円。
 施設の建設費は約360億円で、国は最大約200億円を拠出する。地域や企業が最大約170億円を負担。うち約72億円を企業出資で賄う予定。これまでに約60社が応じ、約140社の参加を目指す。
 企業出資が目標額に達し次第、整備に着手する。23年度の稼働を目指す。
 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」関連は、次世代型加速器のコスト削減を目指す日米共同研究に18年度当初とほぼ同額の2億7000万円を充てた。

◎公共事業/青函高速化へ手厚く

 北海道新幹線の新青森−新函館北斗間は、20年度開始を目指す高速走行に向けた運行管理システム改修や防音壁工事などに80億円を確保した。18年度当初比50億円増。高速走行は青函トンネル内などの貨物列車との共用走行区間で実施する。
 ダム関連は、北上川上流ダム(盛岡市)の再生事業に1億100万円を新規計上した。北上川の四十四田ダムと雫石川の御所ダムの容量を増やし、洪水対策を強化する。
 ほかに宮城県加美町の筒砂子ダムを含む鳴瀬川総合開発事業に13億9200万円、秋田県東成瀬村の成瀬ダムに160億1000万円、由利本荘市の鳥海ダムに21億5800万円をそれぞれ配分した。

◎防衛/地上イージス1757億円

 陸上自衛隊の新屋(秋田市)、むつみ(山口県萩市、阿武町)の両演習場が候補地に検討される地上配備型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の関連経費に1757億円を計上した。本体2基の取得費の一部、陸上自衛隊員に対する教育訓練費、配備先を問わず必要な設計費用に充てる。特定候補地を想定した敷地造成費の計上は見送った。
 防衛省は、米国から対外有償軍事援助(FMS)で購入する本体1基当たりの費用を1202億円と再試算した。7月に1340億円と公表したが、高額との批判を受け8月の概算要求段階で1237億円に圧縮しており、2度目の見直しとなった。
 同省は「本体の構成品を精査し、巡航ミサイルに対処するための迎撃評価装置を除いた」と説明した。

農水/水田転作の交付金減

 水田で転作作物を作る生産者に支払う「水田活用の直接支払い交付金」は18年度当初比89億円減の3215億円となった。農林水産省は「前年度に(交付対象の)飼料用米の作付けが減少したため」と説明する。
 転作作物別に設定する交付単価は飼料用米が10アール当たり最大10万5000円、麦・大豆などが3万5000円、輸出用米など新市場開拓用米2万円で変わらなかった。
 都道府県単位で主食用米の面積が18年度より減少し、野菜や新市場開拓用米の面積が拡大した場合、拡大面積に応じて10アール当たり2万円を配分する加算措置を新設した。
 先の臨時国会で漁業法が改正され、水産資源の管理・保護のため漁獲上限を定める漁獲可能量(TAC)制度が強化された。これに伴い、収益向上と資源管理の両立を図る地域支援として漁船、定置網など漁具の導入に助成する「水産業成長産業化沿岸地域創出事業」を創設し、100億円を計上した。


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2018年12月22日土曜日


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