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<19年度予算案決定>福島再生に重点配分

◎帰還困難区域/復興拠点整備本格化

 東京電力福島第1原発事故による福島県内の帰還困難区域の再生に向けた施策を本格化させる。避難指示の解除に向け、双葉町や大熊町など6町村で除染やインフラ整備を進める「特定復興再生拠点整備事業」は18年度当初の約1.3倍となる869億円を計上した。
 福島再生加速化交付金には18年度当初比62億円増の890億円を確保した。被災自治体が国に申請した計画に基づき、帰還困難区域の一部に住民が再び住めるよう生活拠点を整備する。営農や事業再開を促す産業団地や長期避難者向けの住宅の整備も進める。
 新規事業として、国際基準を活用した福島県産農産物の食品衛生管理システムの構築に1億円を充てた。風評被害の払拭(ふっしょく)に向け取り組みを強化する。
 除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)の整備には2081億円を振り向けた。除染土の搬入を進める。

◎被災者支援/事業統合で継続的に

 被災者支援総合交付金は18年度当初比6%減の177億円を計上した。災害公営住宅に転居した被災者の見守り活動やコミュニティー再生に取り組む交付金事業と、被災3県に設置した「心のケアセンター」が実施する相談支援を中心とした従来の心のケア支援事業を統合。生活環境の変化や避難生活の長期化にきめ細かく対応するため、切れ目のない支援につなげる。
 被災地域の学校で、幼児や児童生徒の心のケアに取り組むスクールカウンセラーを派遣する事業には24億円を充当した。18年度当初とほぼ同額でサポートを継続する。
 介護人材の確保が課題となっている福島県浜通り地方で避難指示が解除された地域の介護施設に対し、施設運営費を補助する事業に4億円を割り振った。

◎まちづくり/三陸沿岸道75%開通

 国が復興道路として位置付ける三陸沿岸道路(仙台−八戸、359キロ)、沿岸と内陸を結ぶ宮古盛岡横断道路(100キロ)などの復興支援道路の整備に18年度当初比16%減の1744億円を計上した。
 三陸沿岸道路は19年度末までに、総延長の75%に当たる約270キロで開通する予定。仙台−宮古間は気仙沼市の一部区間を除き開通する見込みで、延伸に向けて前進する。
 被災自治体に配分される復興交付金は28%減の573億円。災害公営住宅や高台移転の造成工事が進展したことにより減少した。
 被災した漁港施設や海岸堤防を整備する災害復旧費は12%増の2317億円。社会資本整備総合交付金(復興枠)は21%増の1226億円となった。20年度末までの国の復興・創生期間内に工事を終わらせる必要があるため、いずれも増額となった。

◎産業支援/グループ化補助半減

 被災した中小企業の復旧を支援するグループ化補助金は76億円で、18年度当初に比べほぼ半減した。岩手、宮城を中心に工場や事業所の施設復旧が進んだことが要因。被災地への企業や事業者の立地を進める補助金制度は、申請期限を19年度末まで1年延長する。
 観光復興関連事業は18年度当初とほぼ同規模の49億円を確保。東北への訪日外国人の呼び込みや交流人口の拡大、福島への教育旅行の回復を目指す。
 福島県浜通り地方に新産業を集積させる「福島イノベーション・コースト構想」の関連事業費は18年度当初比6%減の126億円。福島沿岸12市町村の事業者の再建支援には44億円増の60億円を振り向けた。官民連携で実施する相談支援事業の対象に、12市町村外からの創業者を新たに加える。


2018年12月22日土曜日


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