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<18みやぎ回顧>(6)オルレ開設(東松島)地域の魅力磨き誘客を

木に取り付けられたリボンを目印に、楽しみながら歩くオルレ

 紅葉が残る宮城県東松島市宮戸の山道を今月上旬、約4時間半かけて歩いた。
 目印は木の枝に結ばれた赤と青のリボン。道端にはコスモスやツバキが咲く。同行者4人との何げない会話も楽しく、松島四大観の一つ「壮観」として知られる大高森(標高105メートル)からの絶景も格別だった。
 10月に始まったトレッキング「宮城オルレ」の奥松島コース(10キロ)。自然を感じながら路地や海岸線を歩く韓国・済州(チェジュ)島発祥のレジャーだ。国内では九州オルレに次ぐ2例目で、奥松島と気仙沼市の唐桑コース(10キロ)が第1弾として開設された。
 2010年に約112万人だった東松島市の観光客入り込み数は東日本大震災で約26万人(13年)まで減少し、昨年ようやく震災前の約6割まで回復した。オルレのブランド効果で、国内に加えて韓国からの来訪者も期待でき、誘客増の起爆剤になるか注目される。
 市によると、11月末までのオルレ来訪者は3380人。観光客全体でみるとわずかだが、早くもリピーターが出始めた。コースですれ違った夫婦は「2回目なので反対から回っている」と自分なりの楽しみ方を見つけていた。
 まずまずの滑り出しとはいえ、課題も多い。最も多い苦情は「道が分かりづらい」。リボンの場所は適切かどうか、洗い出しが必要だ。
 オルレに関する説明不足も否めない。未舗装の山道など手付かずの自然も売りのはずだが、参加者からは「足場が悪いとは思わなかった」との声も。コース沿いの住民への周知も十分でなく、市は今になって説明会を調整している。
 新たな観光資源を生かすにはどうすべきか。開設日に長崎県から訪れた男性の言葉が印象に残る。九州コースを4度踏破した彼は、オルレの魅力を「地域や古里を大切にする思いがオルレにつながっている」と独特な言い回しで表現した。
 「オルレ」の名を冠しただけではオルレと言えず、住む人の愛着や歴史、文化、人との出会いが合わさって初めてオルレになるという意味だろう。先行地の教えを受け止め、地域の魅力を磨き上げてほしい。(石巻総局・鈴木拓也)

[メ モ]オルレは韓国・済州島の方言で「通りから家に通じる狭い路地」を意味する。リボンや矢印に従って歩くルールで、済州島の社団法人「済州オルレ」がコースを認定する。県は計8コースの開設を目指し、来年度は大崎、塩釜、登米の3市で新コースが誕生する予定。


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2018年12月23日日曜日


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