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<この人このまち>寺を再び地域の中心に

[みうら・けんのう]1966年、男鹿市生まれ。駒沢大卒。2013年から現職。県内唯一の認定臨床宗教師。

 秋田県男鹿市の大龍寺は室町時代に再興され、JR男鹿駅に近い現在地に1932(昭和7)年に移った。歴史ある寺に新風を吹き込むのが38代目住職の三浦賢翁さん(52)だ。座禅やヨガ、さらには音楽イベントを開くなど多彩な活動を展開。寺を地域コミュニティーの拠点にしている。
(秋田総局・渡辺晋輔)

◎大龍寺住職 三浦賢翁さん(52)/知り合ったご縁を、内外の人と共有していきたい

 −寺を開放したきっかけは何ですか。
 「曹洞宗の総本山、福井県の永平寺で修行した後に見聞を広めるため米国や中米、欧州、アジアの約30カ国の寺や教会を2年間巡りました。各地でコミュニティーの場としての役割を果たしていることに刺激を受け、寺の可能性を感じました」
 「寺は元来、現在の役場や公民館のように地域の中心でした。しかし帰国した25年前、寺はほとんど法事と葬式の場であり、開放する所は珍しかったです。檀家(だんか)がお参りする場所としての役割は重要ですが、多くの人に来てもらうために取り組みました」

 −どのような活動をしていますか。
 「当初、外国語指導助手(ALT)と日本文化に触れる合宿を寺で開いて座禅や茶道などを学んだり、2カ国語を使って演じる劇を上演したりしました。音楽演奏とマーケットイベントを合わせた『寺NOVA(寺の場)』も開催しました」
 「現在は終活セミナーを不定期で行っているほか、寺と地元船川地区の商店を会場にした『Funakawaひのめ市』というイベントを毎年開いています。かつてにぎやかだった地区に再び光を当てると同時に、まだ日の目を見ていない若い人が活躍するきっかけになればいいな、と考えています」

−寺に来ると心が落ち着きます。
 「ストレスを抱えていても、座禅や瞑想(めいそう)などを行うマインドフルネスで心をリセットできます。ヨットを上手に操れる人は向かい風でも前に進めます。自分を俯瞰(ふかん)することができれば、心に起きたネガティブな感情の風でも捉えて前に進むことができます」

 −活動の成果はありましたか。
 「多彩な価値観を持つ人が寺に集まりました。コミュニケーション力などで培った持ちつ持たれつの関係性が重要だと感じています。自分が知り合ったご縁を、地域内外の人と共有していきたいです。寺を開放することで、今後も地域コミュニティーでの役割を果たしていく考えです」


関連ページ: 秋田 社会

2018年12月24日月曜日


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