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移住者用や災害公営住宅に…進む仮設住宅再利用 福島県、無償譲渡で促進

仮設住宅の資材を使って造られた移住定住促進住宅
移住定住促進住宅の部屋に取り付けられたアコーディオンドアは、仮設住宅で利用されていた=福島県昭和村

 東日本大震災の被災者や東京電力福島第1原発事故の避難者向けに建設された福島県内の仮設住宅を再利用する動きが広がっている。建物や資材の活用先は移住者向けの住宅や災害公営住宅、事務所、宿泊施設などさまざまで、建設コストの抑制や工期短縮効果に期待が集まる。
 奥会津地方にある福島県昭和村。平屋のしゃれた住宅が国道400号沿いに立つ。村が整備し、移住した3世帯が暮らす8月末完成の「移住定住促進住宅」(約200平方メートル)だ。
 窓やエアコン、流し台、給湯器、ガスコンロ、アコーディオンドア…。資材の多くが白河市にあった仮設住宅で使われていた。再利用の結果、整備費は約3000万円で済んだ。
 「村の財政は厳しく、新品でそろえる余裕はなかった。比較的安く建てられた」と村の担当者。居住する村観光協会職員の中田俊一さん(28)は「きれいで防寒対策も施されている。仮設住宅の再利用とは思えない」と驚く。
 福島県は2016年度、仮設住宅の無償譲渡を始めた。役目を終えた木造住宅の再利用を県のホームページで公募している。解体は基本的に申請者が行うが、自治体が移住者向け住宅を整備する場合、県が解体・運搬費などを支援する。
 譲渡実績は約220戸。NPO法人の事務所や従業員の休憩所、コテージ風の宿泊保養施設などに活用された。西日本豪雨の被災地・岡山県総社市に提供した56戸は、再び仮設住宅として被災者が暮らす。
 福島県飯舘村は20年度に整備する原発事故の避難者向け災害公営住宅(20戸)で、二本松市内の仮設住宅の資材を使う計画だ。担当者は「建設コストを抑えられ、工期を短縮できるのもいい」と言う。
 震災後に県内に建設された仮設住宅は約1万6000戸。うち約6000戸が撤去された。撤去は来年度以降にピークを迎え、県は部材の有効活用で廃棄物発生量を抑制したい考え。
 県建築住宅課の担当者は「国民の税金で整備した施設で、大切に使いたい。状態のいい材料は活用してもらえるよう、引き続き募集していく」と説明する。


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2018年12月24日月曜日


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