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<E番ノート拡大版>石井GM剛腕発揮 編成に人間力生かす

浅村(右)の入団記者会見で握手をする石井GM=1日、仙台市の楽天生命パーク宮城

 9月に就任した東北楽天の石井一久ゼネラルマネジャー(GM)がチーム編成で剛腕を振るっている。

<長期展望で育成>
 西武からフリーエージェント(FA)宣言した浅村を争奪戦の末に獲得。最重要課題だった得点力向上と二遊間強化が期待できる大仕事となった。若手育成に向けても三木2軍監督、金森1軍打撃チーフコーチら敏腕指導者を招聘(しょうへい)するなど、長期展望に立った土台づくりも並行して進める。
 石井GMは1990年代のヤクルト黄金時代のエースで、2002〜05年は大リーグで活躍。06年にヤクルト復帰後、移籍した西武で13年までプレーした。引退後は主に野球解説者として活動。日米球界に人脈があるとはいえ、今回初めてとなる球団フロントの業務で手腕は未知数と見られていた。
 感性は独特。07年に西武へ移籍した理由は「新しい友達をつくりたい」。通算200勝まであと18勝と迫りながら引退した時は「マンネリだったし、200勝は必要はない」と語った。
 ただ、これらは一面に過ぎない。「おおらかな語り口と風貌で勘違いされがちだが、頭の回転が速く、視野が広い。観察眼も鋭い。人間力が今の仕事に生きている」。選手時代から石井GMを知る球団関係者はこう明かす。
 石井GMは浅村の移籍交渉では、その観察眼が生きた。飛躍できる新天地を求める相手の意図を見抜くと、選手時代の移籍経験を披露しながら「サポートする構えがある」と歓迎した。「来てくれるだけで手本になる。背中を見せてほしい」という石井GMの言葉に、浅村の心は動いた。

<選手の信頼得る>
 「殺し文句って必要ですかね?」。交渉後の会見で石井GMは、ざっくばらんな話し合いだったと説明した。2年前に当時西武の岸とのFA交渉で星野球団副会長は「迷ったら前へ出ろ」と決めぜりふで迫った。石井GMは適度に力の抜けた雰囲気を醸し出しながら、浅村を口説き落とした。
 「選手目線で頼れる存在」。主力選手の一人が証言するように、着実に選手の信頼も得始めている。この選手は別の球団幹部と来季の契約交渉をした際、余計な溝が生まれることを懸念して増額要求を控えた。その後思い立って石井GMに相談すると「君の成績なら求めていい正当なアップ額だと思う」と言われ、「気が楽になった」と話す。
 ブセニッツ投手、ブラッシュ外野手の入団が決まり、今オフのチーム編成は一段落した。「5年、10年と強さが続くチームに生まれ変わらせて、東北の人たちに見せたい」。石井GMのプランが実現したチームを早く見てみたい。(金野正之)


2018年12月25日火曜日


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