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<週刊せんだい>仙台圏のキリシタン物語(4完)陸自駐屯地内の旧教会 震災経てトモダチ館に

教会時代に使われていた鐘を紹介する川村班長。「見学者が自由に鳴らすことができますよ」
トモダチ館の外観
東北方面音楽隊が使用していた当時の旧教会
震災で崩れた秋保石

<駐留米軍が建設>
 秋保石を丁寧に積み上げた外壁が、レトロな雰囲気を醸し出す。陸上自衛隊仙台駐屯地(仙台市宮城野区)にある「トモダチ館」(延べ床面積約375平方メートル)は、米軍による東日本大震災の復興支援を後世に伝えようと、教会だった建物を2013年3月に復元した。
 戦後の占領下時代、教会は、この地に「苦竹キャンプ」を置いていた米軍によって1947年に建てられた。設計は、金成ハリストス正教会(栗原市)の聖堂(1934年完成)などを手掛けた建築家の内井進氏。米軍から「優れた職人技が用いられている」と感謝の手紙が送られるほど見事な出来栄えだったという。
 進駐軍が駐留した57年まで、教会では礼拝や洗礼式が行われ、結婚式を挙げた兵士もいた。同年にキャンプが返還され、58年に仙台駐屯地となってからは、東北方面音楽隊の練習場所として長く活用された。
 「旧教会には防音設備がなかったため、天井一面に毛布を張り巡らせて音漏れを防ごうと努めていたようです」と、駐屯地司令職務室の川村保広広報警備班長が教えてくれた。

<壁崩れるも再建>
 2011年3月11日の激しい揺れで、旧教会は秋保石の外壁が大きく崩れ落ち、痛々しい姿となった。震災で歴史的建築物の喪失が進む中、旧教会は「復興と、日米の絆を後世につなぐシンボル」として、元の建物のイメージを大切に再建された。
 館内には、米軍が、津波で甚大な被害を受けた仙台空港やJR仙石線沿線などで復旧活動に当たったことを紹介するパネルや、「日本ガンバッテ!!」「Cheer up Japan!!」といった激励があふれる寄せ書き、千羽鶴など約90点が並ぶ。教会時代に使われていた鐘や、当時を物語る写真、被災した外壁の秋保石も展示されている。
 トモダチ館は、職場体験に来る市内の中学生や日米共同訓練のためにやって来た米軍兵士が訪れることもある。毎年9月に駐屯地内である創隊記念行事の際には、館内を開放している。一般市民もグループで予約すると、随時見学できる。
 「自衛隊は転勤職場。ここに勤務していても、トモダチ館が教会に由来することを知らない隊員は多い」と川村班長。「駐屯地の大切な建物として、長く継承したい」と語る。
 連絡先は仙台駐屯地022(231)1111。
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 仙台圏のキリシタンにまつわる地域の歴史や風習などを紹介しました。


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2018年12月27日木曜日


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