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<岩手競馬>対応後手、深まる混迷 原因解明されず

禁止薬物が検出された競走馬が所属する盛岡競馬場の厩舎エリア=26日

 所属する競走馬から新たに禁止薬物が検出された岩手競馬が、またもやレース休止に追い込まれた。原因が解明されないまま再発防止策は後手に回り、事態は混迷の色を深めている。

<収支/組合は黒字達成に自信>
 1円の赤字も許されない「単年度収支の均衡」が事業継続の条件になっている岩手県競馬組合。新たに計70レースが休止となる異常事態にも「収支均衡は保てる」と楽観的な見通しを示した。
 70レースで見込んでいた馬券発売額は計15億円。休止対象には重賞レースの「桐花賞」や「金杯」が含まれ、収入面の痛手は決して小さくない。
 しかし組合は、11月にレースを再開した後の発売額が当初計画を上回って好調に推移したため「損害をカバーできる」と説明。財政調整基金1億4900万円を取り崩すこともできるという。
 2019年3月末まで予定されている今季のレースが全て休止になった場合でも、組合は本年度の黒字達成に自信を見せた。
 多額の累積赤字を抱えていた岩手競馬は07年、「収支均衡の達成が見込めなければ年度途中でも事業を廃止する」との条件で県や盛岡、奥州両市から330億円の融資を受けている。

<対策/水沢厩舎集中があだに>
 過去4頭の禁止薬物検出は水沢競馬場(奥州市)の厩舎(きゅうしゃ)で発生。ここに「盲点」があった。再発防止策も水沢競馬場に集中しており、組合議会からは「(盛岡市の)盛岡競馬場での対策がおろそかになっていた」との批判が上がる。
 問題発覚後、水沢競馬場では(1)厩舎に監視カメラ83台を設置(2)陽性馬が出た二つの厩舎を中心に警備員を24時間配置(3)出走前の全頭検査実施−と矢継ぎ早に対策を講じた。
 盛岡競馬場の厩舎にも監視カメラを設置したが「立て続けに薬物が検出された水沢競馬場に問題がある」というのが組合の本音だった。
 組合議会の議員は「水沢競馬場だけの問題という認識の甘さが再発防止策に表れた。盛岡競馬場でも全頭検査すべきだった」と指摘する。
 組合は、岩手競馬に所属する全718頭の全頭検査を再び実施する。ただ検査後に禁止薬物を混入されて出走する可能性もあり、有効性には疑問が残る。

<捜査/競馬法違反容疑告発へ>
 「ターゲットが岩手競馬である可能性が高まった」
 禁止薬物の検出が盛岡競馬場所属の競走馬に拡大した事態を受け、県競馬組合の内宮明俊副管理者は26日、岩手競馬全体に向けられた「悪意」を初めて認めた。
 これまで県警への「相談」にとどめていた対応を見直し、競馬法違反容疑で告発する意向を固めた。
 内宮副管理者は内部犯行の可能性について明言を避ける一方、「盛岡競馬場の厩舎は外部から入ることが難しい」と説明した。
 組合議会の議員も「厩舎に精通した人でないと(薬物混入は)無理だろう」との見方だ。その上で「警察と連携した原因究明にもっと早くから取り組むべきだった」と対応を批判した。
 先の12月定例県議会の一般質問で捜査の進展状況を問われた島村英県警本部長は、ぶぜんとした表情で「鋭意捜査中」とだけ答えた。


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2018年12月27日木曜日


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